こんにちは!管理栄養士の高安です。「プロテイン必要?必要じゃない?」シリーズ。今回は「Case1 40代Aさん」の休日についてみてみましょう。(前回の記事はこちら https://limitest.jp/meal/need-protein-is-nt-it-necessary/ )
みなさんも平日は仕事があるので割と規則正しく生活していても休日になると一気に生活リズムと食事が乱れてしまうことはありませんか?これから年末にかけて連休や長期休暇が増えていく時期です。平日でいくら節制して頑張っていても休日にだらけてしまってはもったいないですよね。
まずはAさんがどんな人だったか思い出してみましょう。
Case1:40代男性、最近ぽっこりお腹が気になってきた
都内在住のAさん。40歳をすぎて最近ぽっこりお腹が気になってきました。娘に「おじさん」と言われたことがショックで一念発起してジムに入会しました。身長173cm、体重70kg、体脂肪率25%。高校生まで運動部に所属していたため、体力には自信があるようです。
まずはAさんのライフスタイルについて詳しく見ていきましょう。日々の食事についても合わせて記載しておきました。
Aさんの代表的な1日(休日)
行動内容 | 食事など | |
---|---|---|
10:00 | 起床 | |
11:30 | 早めの昼食 | カレーライス、サラダ |
14:00 | ジムで運動(3時間程度) | 運動後にプロテイン |
19:00 | テレビを見ながら晩酌 | ビール350ml3缶 唐揚げ、枝豆、キムチなど |
20:30 | 家族と一緒にごはん | おかず少しと白飯 |
24:00 | 就寝 | 就寝前にプロテイン |
日頃の疲れがたまっているせいか、休みの日は昼前まで寝ています。午後からジムに行って運動をするものの家に帰ってからはビールとおつまみ。家族の食事にあわせてご飯ものもしっかりと食べ、食後はソファーでテレビを見ながらゆっくり。「プロテイン」を飲み24時に就寝するというのがお決まりの様です。
「アルコール」代謝と筋肉の関係
Aさんの様に飲酒習慣がある方は多いのではないでしょうか。適度な飲酒はリラックス効果もあり悪いことばかりではありません。ですが、飲み過ぎると「肥満」や「動脈硬化」などの「生活習慣病」を誘発してしまう可能性もあります。「アルコール」の代謝について正しく理解し、上手に付き合っていっていただきたいと思います。
「アルコール」は20%程度が胃で、残りは小腸から吸収されます。吸収された「アルコール」は「肝臓」に運ばれて「酢酸」にまで分解されたのち、「筋肉」で炭酸ガスと水に分解されます。「アルコール」の分解の過程は下記の通りです。
引用:厚生労働省e-ヘルスネット HP
「アルコール」は最終的に「筋肉」で分解されるため、筋肉量が多い方の方が「アルコール」の分解速度が早いと言えるでしょう。
「アルコール」が分解される時間はどのくらい?
先ほどもお伝えしたとおり、体内の「アルコール」の代謝には「肝臓」が重要な働きをしています。ちなみに、食事から摂取した「栄養素」はどこで分解されるか覚えていますか??そう、「アルコール」と同じく「肝臓」で分解されます。では、体内に「アルコール」と食事から摂取した「栄養素」が同時に入ってきた場合はどうなるでしょうか?この場合は「アルコール」と食事から摂取した「栄養素」の分解を同時に行うのではなく、「アルコール」代謝を優先します。これがお酒を飲むと太りやすいと言われる理由の一つです。
「アルコール」の分解速度は体重に比例していると言われています。下記の計算式でアルコール分解にかかる時間を計算していただくことができますので、ぜひ一度みなさんが日頃から飲んでいる量の「アルコール」を分解するためにどのぐらい時間が必要かどうかを計算してみてください。
「アルコール」分解にかかる時間= [(飲酒量ml × アルコール% ÷ 100)×0.8] ÷ [体重kg ×0.1]
Aさんが摂取した「アルコール」が分解される時間を計算してみましょう。Aさんはアルコール%が5.5%のビール350ml缶を3缶飲んでいます。体重は70kgですので
[(飲酒量1,050ml × アルコール 5.5% ÷100)× 0.8] ÷ 体重70kg ×0.1=6.6時間なんと、350mlの缶ビール3本に含まれている「アルコール」を分解するまでに「7時間弱」もかかっているのです。一緒に食事もしていますので、その間に摂取した「栄養素」の肝臓での代謝は「アルコール」を摂取していない時に比べて極端に低下していることになります。この状態を続けると栄養素は肝臓で代謝されず体脂肪として蓄えられていってしまいます。もし毎日ビール3缶を飲み続けていたらどうなりますか??恐ろしいですよね。せっかくジムにいってトレーニングしても、「プロテイン」をのんでも「肝臓」がしっかりと機能していなければかえって逆効果になることも。
「アルコール」はあくまでも「嗜好品」です。飲んではいけないということではありませんが、体内で分解される過程もよく理解した上で上手に付き合っていっていただければと思います。
プロテイン必要?必要じゃない?〜Case1
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/