アルコールはなぜ太る?飲酒時の食事のポイントまとめ

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。最近はなかなか外で食事ができないので、ご自宅でお酒を楽しんでいる方も多いかもしれませんね。秋は美味しい食べ物が多くなる季節。美味しい食べ物とお酒の組み合わせは最高ですよね。でも油断して飲みすぎたせいか、一気に体重が増えてしまった。という経験はありませんか?なぜアルコールは太りやすいのでしょうか?アルコールの代謝と飲酒をする際の食事で気をつけるべきポイントについてご説明したいと思います。

蒸留酒なら太らないは本当?

ビールは太るけれど、ハイボールなら大丈夫!という話をよく聞きますが、果たして本当でしょうか?

お酒には製造方法により醸造酒と蒸留酒の2種類があります。醸造酒は米や麦、ぶどうなどに含まれる糖質を発酵させることで作られます。代表的な醸造酒はビール、日本酒、ワインなどです。醸造酒はお酒の原材料となる糖質がそのまま飲料の中に残っている状態のため、太りやすいといわれています。それに対して蒸留酒は原材料を発酵させて製造した醸造酒をさらに蒸留して作られます。醸造酒を加熱し、その蒸気を冷却してアルコールを抽出するため、原材料の成分がお酒に残らず太りにくいと言われているようです。代表的な蒸留酒はウイスキー、焼酎、ブランデーなど。蒸留酒は醸造酒に比べアルコール度数が高いことが特徴です。

確かに、ビールとハイボールは使用している原材料も製造方法も異なりますが、どちらもアルコールのため、アルコールを代謝するというからだの反応はビールもハイボールも同じです。ビールは太るけど、ハイボールは大丈夫というのは間違い。その理由はアルコール代謝のメカニズムを理解すると納得いただけるかと思います。

アルコールの代謝

体内に摂取されたアルコールは下記の流れで分解されます。アルコールを少し摂取するだけで体調が悪くなってしまうかたもいらっしゃいますよね。これは、アセトアルデヒトを酢酸に分解するALDH2の活性が弱いもしくは、そもそも酵素が働かない場合は体質的にアルコールを分解能力が低かったり、そもそもアルコールを分解することができない体質が原因です。この酵素の活性は遺伝的要素が強く荒天的に得られるものではありません。

引用:厚生労働省e-ヘルスネット HP

アルコールの分解にかかる時間はアルコールの摂取量とアルコール濃度、体重に影響されます。アルコールを分解するためにかかる時間の計算式は以下の通りです。

「アルコール」分解にかかる時間
= [(飲酒量ml × アルコール% ÷ 100)×0.8] ÷ [体重kg ×0.1]

上記の計算式を利用すると、体重70kgの方が350mlの缶ビール1本を飲んだ場合、アルコールの分解にかかる時間は約2時間という計算になります。ちなみに、体内でアルコールを分解している時には食事から摂取した栄養素の分解はおろそかになるため、体脂肪として吸収されやすくなります。

アルコールと筋トレの関係

先ほどご説明した通り、アルコールを分解している時は肝臓での代謝はアルコールの分解を優先しようとします。そのため、筋肉に必要な栄養素の取り込みにも悪影響を与える可能性もあります。また、アルコールの代謝には多くの水分を必要とするため、体内は脱水状態になりやすくなります。トレーニング後にアルコールを飲む場合は脱水に気をつけ、いつも以上に水分摂取を心がけるようにしましょう。

アルコール摂取時の食事のとりかた

アルコール摂取時や次の日の食事のとりかたのポイントについてまとめました。

「ビタミンB1」が含まれている食材を摂取する

ビタミンB1は糖質の代謝にも関与するビタミンです。飲み会の時のおつまみにはビタミンB1を多く含む食品の摂取を意識すると良いでしょう。とはいえ、揚げ物など油を多く使用した調理法だとビタミンB1の摂取はできてもカロリーオーバーになってしまうので注意が必要です。揚げ物はさけ、ヘルシーな調理法の料理がおすすめです。

「水分」を意識的に摂取する

アルコールを大量に摂取すると体内が脱水状態になります。飲み会の次の日にいつも以上に喉が乾いていたり、唇が乾燥していたりすることはありませんか?これは体内が脱水状態になっているサイン。お酒を水分補給と言いながら飲んでいる方もいらっしゃるかもしれませんがそれは大きな間違いです。アルコール摂取している時こそ意識的に水分を摂取するように心がけてください。

アルコールを飲んだ次の日は極力ヘルシーに

たくさんお酒を飲んだ次の日の食事はなるべく余計な糖質と脂質をカットすることがポイントです。とはいえ、食事を抜くということはあまりおすすめできません。飲み会の次の日は二日酔いで朝食は食べない。昼はお腹が空くのでがっつり揚げ物、夜はそのまま飲み会に突入。なんてことはありませんか?これでは、食事を抜いた反動で摂取した栄養素が余計に吸収されやすくなってしまいます。飲み会の次の日の朝食こそ抜かずに食べて頂きたいのです。

まとめ

適正量の飲酒はリラックス作用もあり、ストレス解消に効果的です。ですが、飲みすぎると太りやすくなったり、筋トレの効果も半減したりと良いことばかりではありません。今回ご紹介したアルコールを飲む時の食事のポイントに注意しながら適度な飲酒を心がけてくださいね!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/