こんにちは!管理栄養士の高安です。以前、「鶏肉の栄養」ということで簡単に「地鶏」と「ブロイラー」の違いについてお話させていただきました。(詳しくはこちら https://limitest.jp/meal/20191003_chicken-nutrition/)
スーパーで販売している「鶏肉」は産地も値段も様々。もっとも安いのはタイやブラジルなどの「海外産ブロイラー」。次に安いのは「国産ブロイラー」。そして、最も高価なのは「国産地鶏」です。みなさんは普段どの「鶏肉」を購入していますか??今回は栄養のお話から少しそれてしまいますが、同一条件で調理をした際のそれぞれの「鶏肉」の変化についてみていきたいと思います。
(今回の検証は1回のみ実施しています。使用する調理器具や鶏肉の個体差によって異なる検証結果が出る場合もあります。また、味や食感の評価についてはあくまでも個人の見解になりますのでご了承ください。)
加熱調理による重量の変化を検証
近所のスーパーで購入することが出来るのは「海外産ブロイラー」、「国産ブロイラー」、「国産地鶏」鶏肉3種類。これら3種の鶏肉を同一条件で加熱し、加熱による重量の変化と食感、味等について比較してみました。3種の鶏肉それぞれの加熱前の重量を測定したのち、下記の写真の様に並べ180℃のオーブンで20分加熱。粗熱をとった後、それぞれの重量を測定し重量の変化に差があるかを確認しました。使用部位は「鶏もも肉」。特に味付けはせず、そのまま焼いています。
検証結果
「海外産ブロイラー」
加熱前重量 238g
加熱後重量 182g
「国産ブロイラー」
加熱前重量 310g
加熱後重量 238g
「国産地鶏」
加熱前重量304g
加熱後重量 258g
それぞれの加熱による重量変化は以下の通りです。
加熱前重量 | 加熱後重量 | 加熱による減少量 | 加熱による減少率 | |
海外産ブロイラー | 238g | 182g | 56g | 23.5% |
国産ブロイラー | 310g | 238g | 72g | 23.2% |
国産地鶏 | 304g | 258g | 46g | 15.1% |
1度しか検証実験をしていないため断言することは難しいかもしれませんが、今回の検証結果を見ると明らかに「地鶏」の方が「ブロイラー」よりも加熱による重量の減少率は低いという結果になりました。正直ここまで違いが出るとは思っていなかったため、びっくりしています。食品成分表には「若鶏」と「成鶏(廃鶏とも呼ばれる卵を産めなくなった雌鶏。食用には向かず食用の肉として販売されることはあまりありません)」のくくりしかないため、「地鶏」と「ブロイラー」の栄養価の比較することは出来ません。今回の検証結果をみると、「地鶏」に比べて「ブロイラー」の方が加熱による重量減少率が高かったため、「ブロイラー」の方が「地鶏」よりも「水分」や「脂分」を多く含んでいる可能性があると言えるでしょう。
それぞれ食べ比べてみたところ、「国産地鶏」は「海外産ブロイラー」や「国産ブロイラー」に比べると肉質がしっかりしていて歯ごたえがある様に感じました。味に関しては「海外産ブロイラー」や「国産ブロイラー」は若干ですが「臭み」を感じました。「臭み」を取り除くためには、香味野菜や調味料でしっかりと下味をつけてからソテーするか、煮込み料理などの味が濃い調理法が向いている様に思います。
100gあたりの金額は下記の通りです。
100gあたり | |
海外産ブロイラー | 70円 |
国産ブロイラー | 85円 |
国産地鶏 | 157円 |
やはり、「国産地鶏」は「海外産ブロイラー」や「国産ブロイラー」と比べると値段は高いです。
まとめ
一言で「鶏肉」と言っても種類は様々です。価格だけ考えてしまえば「海外産ブロイラー」が最も使いやすいかもしれません。ですが、鶏肉の旨味と歯ごたえを生かしたソテーを作りたい時には「国産地鶏」。しっかりとした味付けで柔らかい煮込み料理を作りたい時には「ブロイラー」などそれぞれの特徴を理解し、作りたい料理によって鶏肉の種類を使い分けてみるのも面白いと思いますよ。
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/