いまさら聞けない脂質のお話

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。今回はいまさら聞けないシリーズ、第4弾「脂質」のお話です。

「脂質」とは?

脂質は主に中性脂肪(トリグリセリド)とコレステロールに分類され、エネルギー源となるだけでなく、細胞膜の成分やステロイドホルモンの成分など、様々な生体機能の維持に関与しています。中性脂肪は体脂肪として体内に蓄えられ、コレステロールは肝臓や小腸で合成され、血液を介して体内を循環しています。脂肪というと悪者にされがちですが、極端に制限してしまうと、肌が乾燥したり免疫が低下してカゼを引きやすくなったりすることがあるので、注意が必要です。

「必須脂肪酸」とは

アミノ酸のお話をした時に、体内では合成されないため食べ物から摂取する必要があるアミノ酸、「必須アミノ酸」についてお話させていただきました(詳しくはこちらhttp://limitest.jp/meal/not-hear-amino/)が、アミノ酸同様、食べ物から摂取する必要がある「必須脂肪酸」というものが存在します。

●必須脂肪酸の種類と多く含まれる食べ物

必須脂肪酸多く含まれる食品
リノール酸なたね油、オリーブオイル、えごま油など
リノレン酸大豆油、なたね油など
アラキドン酸肉類、魚介類、卵などの動物性食品

これらの必須脂肪酸は極端な食事制限をしていない限り、不足する可能性は低いと言われています。むしろ、過剰に摂取することで体重増加や動脈硬化などの原因になることもあるので注意が必要です。

「脂肪酸」の種類

脂肪酸は保有しているC(炭素)の数により、「短鎖脂肪酸(飽和脂肪酸)」、「中鎖脂肪酸(一価脂肪酸)」、「長鎖脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)」に分類され、それぞれの働きや代謝経路が異なります。

●脂肪酸の種類と効果、多く含まれる食べ物

脂肪酸の種類効果多く含まれる食べ物
短鎖脂肪酸過剰摂取すると動脈硬化の原因になる動物性食品に多く含まれる
中鎖脂肪酸長鎖脂肪酸に比べてエネルギー効率が良いココナッツオイルなど植物性食品に多く含まれる
長鎖脂肪酸LDLコレステロール低下作用、血栓生成抑制作用リノール酸、リノレン酸は植物油、その他は魚に多く含まれる

脂肪酸の中でも「魚油」に多く含まれているDHA、EPAなどの長鎖脂肪酸は抗酸化作用や炎症抑制効果があるため、筋トレ等で筋肉細胞が破壊された場合の回復を促す上でも適している栄養素と言えると思います。あくまでも脂肪は脂肪なので、カラダに良いからといって摂りすぎは禁物です。

「脂質」の消化と吸収

脂質はたんぱく質や糖質よりも消化が遅く、吸収に時間がかかります。また、脂質は消化管の運動を抑制し、胃の中に滞留している時間が長くなるため、たんぱく質や糖質に比べ、消化吸収に時間がかかるというわけです。揚げ物を食べた後の胃もたれがその現象ですね。消化吸収に時間がかかり、カラダはその間、副交感神経が優位な状態になっている為、トレーニング直前やトレーニング中には揚げ物などの過度の脂肪摂取は控えた方がよいでしょう。

「中鎖脂肪酸」の代謝

長鎖脂肪酸に比べて分解される時間が短く、すぐにエネルギーになりやすく、また「ケトン体」ダイエットとして最近注目されているのが「中鎖脂肪酸」、「MCTオイル」です。中鎖脂肪酸は、ココナッツやパームなどヤシ科の植物油に多く含まれ、古くから医療の現場では腎機能障害があり高エネルギー食を必要とされる方の食事に使われてきました。中鎖脂肪酸の大きな特徴は他の脂質と異なり、直接血液に吸収され肝臓に入るため、長鎖脂肪酸と比べて分解される時間が短く、エネルギー効率が良いということです。しかし、通常のバランスの良い食事をし、糖質やたんぱく質などから摂取されたエネルギーが体内に十分にある場合には、肝臓にダイレクトに吸収されるため、むしろ脂肪として蓄積されやすく、脂肪肝の原因にもなる可能性が高いため注意が必要です。

ケトン体はブドウ糖に変わる第二のエネルギー源として注目されており、MCTオイルはケトン体を生成しやすい。と言われていますが、あくまでも血中に増加するのはMCTオイルを分解した時に生成されるケトン体であり、体脂肪が分解される時に生成されるケトン体とは異なります。

オリーブオイルが流行ると全てにオリーブオイルをかけたり、ナッツが流行ると常にナッツを食べたり、MCTオイルを積極的に摂取したり。流行りの情報に左右されてはいませんか??

食品選択をする上で最も重要なのは、自分の状態と目的を的確に判断し、適正な食品を選択することです。様々な情報に惑わされることなく、ご自身の状態に合わせて正しく食品を選択していってくださいね。

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/