甘酒の栄養〜米麹と酒粕の違い〜

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。今日は「甘酒」についてお話しようと思います。近年「飲む点滴」と言われ注目されている「甘酒」。この「甘酒」には2つの種類があることはご存知でしたか?

「米麹」から作られる「甘酒」

「飲む点滴」として近年注目されているのは「米麹」から作られている「甘酒」です。「米麹」は日本食に非常に関係の深い「味噌」や「醤油」や「みりん」などの発酵調味料を作る時に使用されます。米に「麹カビ」という細菌を付け繁殖させ発酵させたものが「米麹」です。「米麹」を使った「甘酒」は砂糖などの甘味料を加えなくても、米が分解される過程で生じる「ブドウ糖」の自然な甘さを感じることが出来るのが特徴です。また、「アルコール」は含まれていませんので、お子様でも飲んでいただくことが可能です。病院で使われる点滴の主な成分は「グルコース(ブドウ糖)」です。これが「米麹」から作られる「甘酒」が「飲む点滴」と言われている理由です。(「米」などの「炭水化物」の代謝に関してはこちら。https://limitest.jp/meal/not-hear-carbohydrate/ )また、「麹」に含まれる酵素には「オリゴ糖」を生成する働きもあるため、腸内環境の改善にも役に立つと言えるでしょう。ですが、カラダに良いからと言って飲みすぎるとエネルギーの過剰摂取になってしまいますので注意が必要です。

「酒粕」から作られる「甘酒」

「酒粕」は日本酒を作る過程で出来るものです。日本酒は先ほどご紹介した「米麹」に「酵母」を加えてさらに発酵させ製造されます。「米麹」と「酵母」を混ぜ発酵が進むと「かゆ状」の「もろみ」が出来上がります。その後に「もろみ」をろ過して「日本酒」と「酒粕」に分けられます。「酒粕」には発酵の過程で生成されるビタミン・ミネラルやアミノ酸が多く含まれていると言われています。この「酒粕」をお湯にといて砂糖などで甘みを追加しているのが「酒粕」から作る「甘酒」です。日本酒の絞りかすのため「酒粕」のはアルコールが含まれています。また、甘さを出すために砂糖を添加している事が多いため、ダイエット中の方は摂りすぎには注意した方がよいでしょう。

「甘酒」の上手な使い方

では、どちらの「甘酒」を摂取するのが良いのでしょうか?日頃からトレーニングをしてカラダづくりをしているみなさんには最初にご紹介した「米麹」から作った「甘酒」がおすすめです。「甘酒」の上手な使い方をご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。

時間がない時の「朝食代り」として

何度もお伝えしているのでもうお分かりかと思いますが、食事の基本は「3食しっかりとバランス良く食べる」ことです。朝時間がなくて「朝食」を抜きがちになってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、1食食事を抜いてしまうとカラダは飢餓状態に陥り自分自身を分解しなんとか生命活動を維持しようとします。そんな時に分解されるのは「筋肉」も例外ではありません。せっかくトレーニングで作り上げた筋肉を分解させないためにも、最低限「炭水化物」のエネルギーを補給することが必要です。特に朝食は1日の代謝のスイッチを入れる上で最も重要な食事です。そんな時に米が原料の「米麹」から作った「甘酒」を飲むと良いでしょう。もちろん時間があるのであれば「炭水化物」だけでなく、「たんぱく質」もしっかりと摂取してください。

増量期の「補食」として

カラダ作りにおける「補食」の役割について以前ご紹介させて頂きました。(詳しくはこちらhttps://limitest.jp/meal/20190130_recipe/ )食事以外で固形物を食べる事に抵抗がある方は「甘酒」を「補食」として活用してみても良いでしょう。

トレーニング後の「エネルギー補給」として

効率良く「筋肉」をつけるためには「たんぱく質」補給だけでなく「炭水化物」の補給も重要です。(詳しくはこちらhttps://limitest.jp/meal/when-to-drink-protein/ )激しいトレーニングをした後に固形物の摂取が難しい時は「甘酒」を飲んでみるのもおすすめです。

いかがでしたか?いずれにしても原材料に米や米麹のみを使用し、砂糖が入っていないものを選ぶ様にしてください。最近では炊飯器を使って簡単に作る事が出来るレシピも紹介されていますので、ご自分でオリジナルの「甘酒」を作ってみても良いかもしれませんね。

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/