「ビタミン」の役割と1日の必要量とは?

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。皆さんは日頃の食事で何を意識していますか?「摂取カロリー」「たんぱく質」「糖質」「ビタミン」「ミネラル」など気になることは様々ですよね。まずわかりやすいのが「摂取カロリー」や「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」など一般的に開示されていることが多い栄養成分なのではないでしょうか?「ビタミン」や「ミネラル」は厳密に栄養価計算をしない限り1日の食事でどの程度摂取できているかまではわからないですよね。「からだの調子を整える」上で欠かせない「ビタミン」や「ミネラル」。今回は「ビタミン」に注目し、「ビタミン」の役割と1日に必要な量についてまとめてみたいと思います。

そもそも「ビタミン」とは?

まずは「ビタミン」について簡単に復習しておきましょう。以前「いまさら聞けないビタミンのお話」という記事で「ビタミン」について詳しくお話させて頂きました。「ビタミン」は「五大栄養素」の一つです。「ビタミン」は1日に必要な量を体内で生合成することが出来ないため、食事などから日々摂取する必要があります。「三大栄養素」である「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」以外で生体内の反応を調整するための「有機化合物」の総称を「ビタミン」と呼んでいます。「ビタミン」が不足する「欠乏症」になると疾病や成長障害など支障が出てしまいます。逆に過剰摂取した場合も「過剰症」となり健康障害が起きる可能性があります。

「ビタミン」の種類はいくつある?

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で1日の摂取量が定められてるのは13種類の「ビタミン」です。「ビタミン」は「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」にわけられます。まずは「脂溶性ビタミン」である「ビタミンA」「ビタミンD」「ビタミンE」「ビタミンK」についてご紹介したいと思います。

「ビタミンA」

「ビタミンA」は別名「レチノール」と呼ばれています。「視細胞」と関係が深く、「ビタミンA」が不足すると夜など暗いところで目が見えにくくなる「夜盲症」になることがあります。

「ビタミンD」

「ビタミンD」には「ビタミンD2」と「ビタミンD3」の2種類があります。血液中の「カルシウム」濃度を高くする働きがあり、「骨代謝」と密接な関係があります。「ビタミンD」は紫外線により活性化されるため日光浴が効果的です。「ビタミンD」の摂取量が不足すると「くる病」「骨軟化症」「骨粗鬆症」など骨に関係する疾患を発症する危険性があります。

「ビタミンE」

「ビタミンE」は別名「トコフェロール」と呼ばれています。強い「抗酸化作用」があり、生体内の酸化を防止する効果も認められています。「ビタミンE」の摂取量が不足すると体内の過酸化物質が増加したり、未熟児は赤血球が崩壊してしまう「溶血性貧血」を発症する危険性があります。

「ビタミンK」

「ビタミンK」は血液を凝固させる「プロトロンビン」という物質を肝臓で生成するために重要な「ビタミン」です。「ビタミンK」が不足すると血液が固まりにくくなったり、新生児の場合は脳内出血の要因ともなります。

1日に必要な「ビタミン」はどのくらい?

先ほども少しご紹介しましたが、私たちが1日に摂取するべき栄養素量は厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に記載されています。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で定められている「脂溶性ビタミン」の必要量は以下の通りです。

男性の食事摂取基準    
ビタミンA(推奨量)ビタミンD(目安量)ビタミンE(目安量)ビタミンK(目安量)
18〜29歳850μg8.5μg6.0mg150μg
30〜49歳900μg8.5μg6.0mg150μg
50〜64歳900μg8.5μg7.0mg150μg
女性の食事摂取基準    
ビタミンA(推奨量)ビタミンD(目安量)ビタミンE(目安量)ビタミンK
18〜29歳650μg8.5μg5.0mg150μg
30〜49歳650μg8.5μg5.5mg150μg
50〜64歳700μg8.5μg6.0mg150μg

過去に「過剰症」が報告されている「ビタミン」に関しては摂取量の上限である「許容上限量」が定められています。

脂溶性ビタミンの許容上限量    
ビタミンAビタミンDビタミンE(男性/女性)ビタミンK
18〜29歳2,700μg100μg850mg/650mg-
30〜49歳2,700μg100μg900mg/700mg-
50〜64歳2,700μg100μg850mg/700mg-

引用:日本人の食事摂取基準(2020年版)

食品だけの摂取で「許容上限量」に達することはほとんど考えられませんが、サプリメントなどを大量に摂取している場合は「許容上限量」を超える可能性もありますので注意が必要です。

まとめ

今回は「ビタミン」の中でも「脂溶性ビタミン」の1日に必要な摂取量についてまとめさせて頂きました。次回は「水溶性ビタミン」についてです。数字だけ見ていてもわかりにくと思いますので、実際に食べ物で必要量を摂取する場合にどの程度食べたら良いのかについても今後ご紹介していきますので楽しみにしていてくださいね!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/