海藻類の栄養

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。今年は桜の開花も早く、あっという間に新年度を迎えてしまいましたね。花粉症のかたには辛い季節かもしれませんが、個人的には1年のうちで最も好きなのがこの季節です。暖かくなってきてダイエットを意識しているかたも多いのではないでしょうか?今回はダイエットや生活習慣病予防におすすめの食材、海藻類の栄養についてお伝えしたいと思います。

海藻とは?

海藻とは、藻類のうち肉眼で容易に判別できる海産種群の総称をいうそうです。海藻は水深によって色が異なり、大きく3つに分類することができます。海藻類の種類とそれぞれの特徴は以下の通りです。

緑藻(りょくそう)

緑藻類は最も浅い位置に生息する海藻類で、光合成に必要な葉緑素を持っているため緑色をしています。代表的な緑藻類はクロレラ、アオサ、海ぶどうなどです。

褐藻(かっそう)

褐藻類は食用の海藻として多く用いられている海藻類で、緑藻類と紅藻類の間の深さに生息しています。赤褐色をしていて、ひじき、昆布、わかめ、もずくなどが代表的な褐藻類です。

紅藻(こうそう)

海藻類のうち最も深い位置に生息しているのが紅藻類です。光が届きにくい深い場所でも効率的に光合成ができるような仕組みをもっています。ところてんや寒天の材料である「てんぐさ」が代表的な紅藻類です。

海藻類の栄養

海藻類はカロリーが低いだけでなく、ミネラルや食物繊維が多く含まれているため、ダイエット中のかたや生活習慣病が気になるかたに注目されている食品のひとつです。海藻類の多く含まれている栄養素とその効果をまとめました。

食物繊維

海藻類に多く含まれている食物繊維は、アルギン酸やフコダインなどの水溶性食物繊維です(食物繊維に関する詳しい記事はこちら)。アルギン酸は昆布やわかめなどに多く含まれていて、海藻類のぬめり成分のもとです。アルギン酸は体内でナトリウムと結合し、体外にナトリウムを排出するのを助けてくれるため、塩分の多い食事をしているかたや、高血圧が気になるかたにおすすめの成分です。フコダインもアルギン酸同様、海藻類のぬめり成分のもとで、昆布やわかめ、もずくなどに含まれています。フコダインは腸内で余分なコレステロールや糖質を水分と一緒にとりこみ、体外に排出する働きが報告されています。

カルシウム

ひきじやわかめ、昆布などにはカルシウムも多く含まれています。カルシウムは骨の健康を維持するうえでとても重要な栄養素です。カルシウムの吸収をよくするためには、きのこや卵などビタミンDを多く含む食品と一緒に摂取するとよいでしょう。

ヨウ素

海藻類には甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素が多く含まれています。甲状腺ホルモンは新陳代謝を促進したり、成長を促進する働きがある重要なホルモンです。ですが、ヨウ素を過剰に摂取しすぎると甲状腺機能の低下を招く恐れもありますので注意が必要です。昆布や海藻を食する習慣のある日本人はヨウ素が欠乏する心配はあまり多くありません。

まとめ

海藻類には水溶性食物繊維やカルシウム、ヨウ素などのミネラルが多く含まれています。カロリーが低いだけでなく、「かさ」があるため食事にプラスすることで満足感を得られやすいため、ダイエット中のかたにはおすすめの食材です。食物繊維で腸内環境を改善する効果も期待できますし、一石二鳥ですね。ただし、からだに良いからといって食べ過ぎには注意してください。海藻類を使った料理は1日1品程度を目安に適度な摂取をおすすめします!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/