「糖質」だけに注目したダイエットは危険!

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。薄着の季節が近くにつれてダイエットを意識する方も多くなっているのではないでしょうか?数年前に大流行した「糖質制限」。果たして「糖質」だけに注目した体重コントロールは効果的なのでしょうか?「糖質制限」している時はよいけれど、やめたとたんにリバウンドした。という話もよく耳にします。今回は管理栄養士の考える正しい「体重コントロール」方法をお伝えしたいと思います。

体重が増減する仕組みを知ろう!

まずは基本的なことからおさらいしていきましょう。体重の増減は「1日の消費カロリー」と「1日の摂取カロリー」のバランスで決まります。「1日の消費カロリー」が「1日の摂取カロリー」を上回れば体重は減り、「1日の消費カロリー」が「1日の摂取カロリー」を下回れば体重は増えます。「1日の消費カロリー」と「1日の摂取カロリー」が変わらなければ体重は変わらないというのが体重の増減の基本的な仕組みです。

今よりも体重を落としたければ運動することにより「1日の消費カロリー」を上げるか食事量をコントロールすることで「1日の摂取カロリー」を抑えるかこのどちらかになります。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、意外と忘れがち。今一度この体重が増減する仕組みを頭に入れておくようにしましょう!

体重を1kg減らすのに消費しなければいけないカロリーはどのくらい?

「脂肪」は1gあたり9kcalですので、単純に考えると「脂肪1kg=9,000kcal」となります。ですが、体内に蓄えられている「脂肪細胞」は純粋な「脂肪」だけでなく「水分」や「細胞膜」などが約20%程度含まれていると言われています。「脂肪1kg」を減らすためには「脂肪1kg=9,000kcak×80%」の「約7,200kcal」を消費することが必要になります。

1ヶ月で1kgの体重を減らそうと思った場合には、「7,200kcal÷30日=240kcal」を1日の摂取エネルギーから減らすか、運動することによって消費エネルギーを増やす必要があります。詳しくはこちらの記事をご確認ください。

極端なダイエットはリバウンドに繋がります。1ヶ月で多くても2kg程度の減量にとどめておくことが無理せず続けられるダイエットのポイントになります。

むやみに「糖質制限」をしない

1日の摂取カロリー」をコントロールするときにまず目がいきがちなのが「糖質制限」ではないでしょうか?ご飯やパンなどの「炭水化物」を一切摂取しない極端な「糖質制限」を行なっている方もいらっしゃいますよね。「炭水化物」が1日の食事に占める割合は5065%と多いため、「炭水化物」を制限することで「1日の摂取カロリー」を大幅に減らすことは可能になります。ですが、極端な「糖質制限」は長期間継続することが難しく、「糖質制限」をやめた途端にリバウンドしたという話はよく聞きます。ここで勘違いしないで頂きたいのは悪いのは「糖質」ではなく「糖質の過剰摂取」ということです。ご飯茶碗1杯、食パン1枚など適量の「炭水化物」はエネルギー代謝を円滑に行う上で欠かせない栄養です。必要最低限の「炭水化物」はしっかりと摂取するようにしましょう。

意識するべきは「PFCバランス」

1日の摂取カロリーを制限する場合でも必ず意識していただきたいのは「PFCバランス」です。「PFCバランス」とは摂取カロリーの中の「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」の割合のことでしたね。摂取カロリーのエネルギー対比で「たんぱく質1320%」「脂質2030%」「炭水化物5065%」が理想的なバランスと言われています。(「PFCバランス」に関する詳しい記事はこちらhttps://limitest.jp/meal/2019_0109_pfc_balance/

「炭水化物」を制限し肉や魚などの「たんぱく質」を多く含む食品を大量に摂取すると「たんぱく質」だけでなく「脂質」の過剰摂取にもつながることがあります。「1日の摂取エネルギー」は制限できたけれど、結果的には「PFCバランス」が崩れ1日の摂取エネルギーに占める「脂質」の割合が高くなっていた。ということもよくあります。肉や魚の摂取量を増やすときにはなるべく「脂質」が少ない食品を選択するか、「プロテイン」などのサンプリメントも取り入れていくとよいでしょう。

まとめ

極端な「糖質制限」や「食事制限」は長続きせず、かえって太りやすくなってしまうためおすすめできません。1ヶ月に多くとも2kg程度の減量にとどめておきましょう。1ヶ月に2kg減らすためには「1日あたり480kcal」を食事でコントロールするか運動により消費するかどちらかになります。もし毎日甘いものを食べていたりお酒を飲んでいたりする場合はそれらをやめることが一番の近道になるかもしれませんよ。「1日の摂取カロリー」を制限する場合も「PFCバランス」を意識し無理のない範囲で継続していくようにしましょう。

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/