代謝とは?細胞レベルでの代謝〜糖質編〜

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。「代謝」の話は本当に難しいですよね。私も学生時代は大嫌いな分野でした。良くわからないカタカナだらけで、なぜこの様なことを勉強しなければいけないのか?と思っていました。ですがこの「代謝」のメカニズムこそが「栄養の基礎」なのです。基礎をしっかりとおさえているからこそ「効率よく筋肉をつけるための食事」や「バテない体づくり」、「効率的な補食のとりかた」を実践することができます。少し難しい内容だとは思いますが、ぜひこの機会に「代謝」についての理解を深めて頂きたいと思います。

今まで、「アミノ酸の細胞レベルでの代謝」(詳しくはこちら代謝とは?〜細胞レベルでの代謝〜)、「脂肪酸の細胞レベルでの代謝」(詳しくはこちら代謝とは?細胞レベルでの代謝-脂質編-)をお伝えしてきました。最後に「糖質の細胞レベルでの代謝」についてまとめていきたいと思います。

ひとことで「糖質」と言っても種類がある

以前、「いまさら聞けない炭水化物のお話」で「糖質」の種類についてお話させて頂きました。簡単に復習しておきましょう。「糖質」はこれ以上分解されない「単糖類」、「単糖類」が2つ結合した「二糖類」、「単糖類」が2つ以上結合した「多糖類」がありました。これ以上分解されない「単糖類」は「ブドウ糖(グルコース)」、「果糖(フルクトース)」、「ガラクトース」の3つの種類がありましたね。(詳しくはこちらいまさら聞けない炭水化物のお話

「ブドウ糖(グルコース)」を分解してエネルギーを獲得する経路を「解糖系」と言います。「ブドウ糖(グルコース)」は食事からだけでなく、体内の「グリコーゲン」が分解されることでも生成しましたね(「グリコーゲン」の分解による「ブドウ糖(グルコース)」の生成についてはこちらグリコーゲンローディングのお話

「解糖系」とは?

「ブドウ糖(グルコース)」や「グリコーゲン」は「酵素」の作用で「ピルビン酸」に分解されます。この一連の過程を「解糖系」と呼び2つのATPが生成されます。「解糖系」はほとんどの生物に備わっている「糖質」からエネルギー源であるATPを生成する経路です。「解糖系」は無酸素状態でも反応が進んでいくという特徴があります。「解糖系」で生成された「ピルビン酸」は酸素がある状態では「ミトコンドリア」に入り「アセチルCoA」となり「TCA回路」で分解されていきます。酸素がない状態では「乳酸」に変化します。

ちなみに、「グリコーゲン」は血液中の「ブドウ糖(グルコース)」濃度が低下した時は「解糖系」の経路をたどり分解されますが血液中の「ブドウ糖(グルコース)」が充足している時(食事後など)は「解糖系」を逆戻りして「グリコーゲン」貯蔵に動きます。「グリコーゲン」の貯蔵量には限界があり、これ以上「グリコーゲン」を蓄えることができなくなると過剰になった「ブドウ糖(グルコース)」は「脂肪細胞」として貯蔵されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今まで「糖質」、「脂肪酸」、「アミノ酸」の細胞レベルでの代謝についてお話させて頂きました。「糖質」、「脂肪酸」、「アミノ酸」とそれぞれ異なる栄養素でも最終的には「アセチルCoA」に分解されるということがおわかり頂けましたでしょうか?それぞれの栄養素は「アセチルCoA」に分解されたのち「TCA回路」、「電子伝達系」へと入っていきATPが生成されていきます。「TCA回路」と「電子伝達系」についてはまた次回詳しくご説明させて頂きます!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/