年代別、男女別の1日の消費カロリーってどのくらい?

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。歳をかさねるにつれ、やせにくくなった。食べる量が変わらないのに太った。というお悩みをよく聞くことがあります。反対に成長期の子どもたちは大人よりも多くのエネルギーを食事から摂取しなければいけない場合もあります。年代により必要とされているエネルギーが異なるのはなぜなのでしょうか?今回は、年代別、男女別の1日の消費カロリーが異なる理由、それぞれどの程度のカロリーを消費しているかまとめました。

基礎代謝とは?

じっとしていても自然と消費するエネルギーがあることをご存知ですか?私たちが寝ている時でも体内の臓器は活動をしているため、エネルギーを消費しています。この臓器を動かすうえで必要とされるエネルギーを基礎代謝といいます。基礎代謝量は基礎代謝基準値(kcal/kg/日)×体重(kg)で求めることが出来ます。性別、年齢別の基礎代謝基準値は下記の通りです。

引用:厚生労働省eヘルスネットHP

体重あたりの基礎代謝基準値を見ていただくとわかると思いますが、年齢とともに体重あたりの基礎代謝基準値は減少しています。これが、年をとるにつれて、やせにくくなる理由の一つです。

1日の消費カロリーの計算方法とは?

自由に生活しているなかで1日の消費カロリーを正確に測定できる方法は限られているため、一般的には、1日の消費カロリーは1日に必要なカロリーと同等であると考えられています。

1日に必要なエネルギーは年齢、性別、1日の活動レベルによって異なります。1日のエネルギー必要量の計算方法は以下の通りです。

1、基礎代謝量を計算する

先ほどもご紹介した通り、基礎代謝とはなにもせずにじっとしているだけで消費するエネルギーのことをいいます。基礎代謝量は基礎代謝基準値×体重(kg)で計算することができます。基礎代謝基準値はひとつ前の「基礎代謝とは?」でご紹介した「日本人の基礎代謝基準値」の表を参考にしてください。

2、基礎代謝量に生活で消費するエネルギー係数をかける

基礎代謝量がわかったら最後に活動で消費するエネルギーを考慮した1日の必要エネルギー量を計算します。身体活動レベルは活動強度によって3段階にわけられています。日本人の食事摂取基準(2020年度版)で設定されている身体活動レベルは以下の通りです。

身体活動レベル  
低い
1.50(1.40~1.60)
ふつう
1.75(1.60~1.90)
高い
2.00(1.90~2.20)
生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合

参考:日本人の食事摂取基準(2020年度版)

以上の計算ででてきた値が1日のエネルギー必要量、すなわち1日の消費カロリーということになります。ただし、あくまでも今回ご紹介したのは「現在の体重」でのエネルギー必要量になりますので、太り気味、やせ気味の場合は現在の体重ではなく、標準体重あたりでエネルギー必要量を計算する必要があります。(標準体重の計算方法についてはこちら

体重コントロールのポイント

今までも何度かお伝えしていますが、体重の増減は「1日の消費カロリー」と「1日の摂取カロリー」のバランスで決まります。「1日の消費カロリー」が「1日の摂取カロリー」を上回れば体重は減り、「1日の消費カロリー」が「1日の摂取カロリー」を下回れば体重は増えます。「1日の消費カロリー」と「1日の摂取カロリー」が変わらなければ体重は変わらないというのが体重の増減の基本的な仕組みです。

今よりも体重を落としたければ運動することにより「1日の消費カロリー」を上げるか食事量をコントロールすることで「1日の摂取カロリー」を抑えるかこのどちらかになります。1日の摂取カロリーの計算方法はこちらの記事でもご紹介していますので、今回ご紹介した1日の消費カロリーの計算方法とあわせて参考にしてみてください。

まとめ

1日の消費カロリーは年齢や性別、活動レベルによってことなります。からだの機能を維持し、活動的に過ごすためには、1日の消費カロリーと同等のエネルギーが摂取できるように、食事をコントロールすることが大切です。ご自身の標準体重を把握し、1日の消費カロリーにみあった食生活を心がけ健康的な日々をおくっていってくださいね!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/