そもそもPFCバランスってなに？

こんにちは！管理栄養士の高安です。さて、今回は今までに何度かお伝えしているPFCバランスについてです。そもそも、PFCバランスとはなんなのか。PFCバランスが崩れることでからだにどう影響があるのか、各栄養素ごとにまとめてみました。

PFCバランスとは？

食事のバランスを判断する上で指標となるのが、PFCバランスというものです。PFCバランスとは総エネルギー摂取量に対する「たんぱく質（P）」「脂質（F）」「炭水化物（C）」由来のエネルギー摂取量の構成比のことを言います。

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準（2020年度版）」に記載されている理想的なPFC比率はこちら。

参考：日本人の食事摂取基準（2020年度版）

現代の日本人の食事は、以前に比べ欧米化していると言われており、食事に占める脂質（F）エネルギー比が多くなっている傾向があります。脂質（F）エネルギー比率の多い食事を続けることで、肥満や生活習慣病になる危険性が高まり注意が必要です。特に外食が多かったり、揚げ物などの油っぽい食べ物が好きな方は要注意です。また、極端な炭水化物制限を行っている場合もPFCバランスが崩れてしまう要因になります。

PFCバランスが崩れることによるデメリットとは？

PFCバランスが崩れるとなぜ良くないのでしょうか？1日に必要とされるエネルギーを確保した上で、理想的なPFCバランスの食事をすることで、私たちが日々活動する上で最も効率よく食事からエネルギーを摂取でき、必要な栄養素を摂取することができます。それぞれの栄養素が不足することによるデメリットについてまとめました。

P（たんぱく質）

たんぱく質は1gあたり4kcalで、筋肉や臓器など体の構成成分となる栄養素です。たんぱく質が不足すると筋力低下や免疫機能の低下など体の機能低下の要因になる可能性があります。たんぱく質を多く含む食品を必ず1回の食事で1品は摂取するようにしましょう。たんぱく質を必要以上に摂取すると、結局は脂肪として蓄えられてしまい、体重増加の要因になりますので、あくまでも適量を摂取することが大切です。

F（脂質）

脂質は1gあたり9kcalで、エネルギー源となるだけでなく細胞膜やホルモンの材料となる栄養素です。脂質は1gあたりのエネルギーも高く、ダイエットをしている方などからは敬遠されがちですが、摂取エネルギーのうち、20〜30％は脂質から摂取して問題ありません。エネルギー効率のよい中鎖脂肪酸や様々な効果があるとされている不飽和脂肪酸油を多く含む食品を意識して摂取するなど、油の質を考慮することもおすすめです。

C（炭水化物）

炭水化物は糖質と食物繊維で構成されていて、糖質は1gあたり4kcalでエネルギー源となる栄養素です。糖質の過剰摂取は肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めるため、注意が必要ですが極端に糖質を制限することもよくありません。毎回の食事で必ず適量の糖質は摂取するようにしましょう。

PFCバランスを整えるためには？

PFCバランスを整えるためには、「主食・主菜・副菜」を揃えた食事を意識することが重要です。主食はご飯やパン、麺類など炭水化物を多く含む食品から、主菜は肉や魚、納豆や豆腐などの大豆製品や牛乳、チーズなどの乳製品などたんぱく質を多く含む食品から、副菜は野菜やきのこ類などビタミン、ミネラルを多く含む食品から選択するようにしましょう。それぞれのカテゴリーを1日の食事でどの程度摂取すればよいかは、厚生労働省が発表している「食事バランスガイド」を参考にしてみてください。

引用：厚生労働省HP

まとめ

栄養バランスが整った食事の第一歩はPFCバランスの整った食事をすることです。PFCバランスを整えると同時に、1日に必要なエネルギーはしっかりと摂取するようにしてください。PFCバランスが整ったとしても、1日に必要なエネルギーが不足してしまっていると、結果的に必要な栄養素の摂取量が不足してしまう可能性があります。多少バランスが崩れる日があっても問題ありませんので、1週間を通してご自身の食事を見た時にPFCバランスが整っているように食事を組み立てていきましょう！

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管理栄養士/フードアドバイザー　高安 ちえ　https://ncsracine.com/