なぜ、たんぱく質は重要?1日の必要量とPFCバランス

食事と栄養

こんにちは、管理栄養士の高安です。プロテインブームの影響もあり、健康を維持するうえでたんぱく質が重要ということが、当たり前のこととして認識されるようになってきたような気がします。たんぱく質摂取が重要なのは間違いではありませんが、たんぱく質を摂取すればするほどよいというわけではありません。1日にたんぱく質をどのぐらい摂取しなければいけないかと、理想的な食事にするために重要なポイントについてご紹介したいと思います。

なぜ、たんぱく質は重要?

たんぱく質とは複数のアミノ酸が鎖状につながったもので、炭水化物・脂質とともに三大栄養素といわれてます。私たちのカラダの約60%が水分で出来ていて、その次に大きな割合を占めるのがたんぱく質にです。たんぱく質は筋肉や臓器、毛髪などカラダの構成成分の材料や消化吸収に欠かせない酵素やホルモンの材料にもなる、とても大切な栄養素です。

たんぱく質が不足すると、筋肉量の減少、髪の毛や肌のトラブル、集中力の低下など様々なカラダの不調の原因になります。高齢者の筋肉低下による寝たきりもたんぱく質の摂取不足が一因とも言われています。そして、最近では若い女性の「やせ」も問題に。極端なカロリー制限をおこなうと、たんぱく質だけでなく、含むカラダ作りに必要な栄養素が全体的に不足し、筋肉量も減少してしまいます。体重は軽いのに体脂肪が多い隠れ肥満…なんて事にもなりかねません。日々の食事でカロリーを意識するだけでなく、たんぱく質の摂取量にも注目し、バランスのよい食事を心がけることが大切です。

1日に必要なたんぱく質量はどれぐらい?

私たちが1日に摂取しなければならない栄養量は、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」で定められています。各年代、性別のたんぱく質必要量は以下の通りです。

 男性(推奨量)女性(推奨量)
18〜29歳65g50g
30〜49歳65g50g
50〜64歳65g50g
65〜74歳60g50g
75歳以上60g50g

また、1日に必要な「たんぱく質」摂取量は「体重1kgあたりに1.2-1.7gをかけた量」で計算することもできます。詳しくはこちらの記事でご紹介していますのでご確認ください。

大切なのは、PFCバランス

たんぱく質が私たちのカラダにとって重要な栄養素なのは間違いありませんが、多く摂取すればよいというものではありません。特定の栄養素だけを摂取するのではなく、1日の食事の中で理想的な栄養バランスを目指すことが大切です。食事のバランスが整っているかどうかは、PFCバランスで判断することができます。PFCバランスとは、総エネルギー摂取量に対する、たんぱく質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)由来のエネルギー摂取量の構成比のことを言います。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」に記載されている理想的なPFC比率は以下の通りです。

 総エネルギーに占める割合1gあたりのカロリー
たんぱく質(P)13〜20%4kcal
脂質(F)20〜30%9kcal
炭水化物(C)50〜65%4kcal

参考:日本人の食事摂取基準(2020年度版)

PFCバランスが先ほどご紹介した比率におさまっている食事が「バランスが整っている食事」といえます。

PFCバランスを整えるためのポイント

食事のPFCバランスを整えるために注意して欲しいポイントをご紹介します。

たんぱく質をしっかりと食べよう

三大栄養素の中で最も不足しやすいのは、たんぱく質です。PFCバランスを整えるためには、毎回の食事の中に、肉や魚、卵や大豆製品などのたんぱく質を多く含む食品を取り入れるようにしましょう。牛乳やチーズなどの乳製品も良質なたんぱく質が摂取できる食品です。昼に肉を食べたら夜は魚など、なるべく同じ食材に偏らないことも重要ですね。

単品メニューよりも定食メニューを選ぼう

丼やパスタ、麺などの単品メニューは炭水化物や脂質の摂取が過剰になりやすいため、一汁三菜が揃った定食メニューを選ぶことがおすすめです。定食メニューであっても、外食の場合、ご飯の量が多くなる傾向があります。ご飯を少なめにしたり、おかわりを控えることもPFCバランスを整えるうえでは重要です。

サラダという名前にだまされない!芋類は野菜ではなく、炭水化物

ポテトサラダやカボチャサラダなど、名前はサラダでも芋類をメインに使った惣菜は野菜とは異なるため注意が必要です。じゃがいもやかぼちゃなどの芋類は炭水化物を多く含んでいます。サラダという名前に惑わされず、栄養成分に注目して食事を選ぶようにしましょう。

まとめ

たんぱく質はカラダの構成成分として重要な栄養素です。たんぱく質が不足しないような食生活を心がけるとともに、食事のバランスの指標であるPFCバランスも意識するようにしましょう。とはいえ、毎日毎日PFCバランスが完璧な食事ができる人はそう多くはありません。外食や飲み会などで1日2日、PFCバランスが崩れてしまったとしても大丈夫です。次の日の食事を少し軽くするなどして、1週間をとおして調整していきましょう。

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/