「消毒」のポイント〜「アルコール」と「次亜塩素酸ナトリウム」の使いわけ〜

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。5月末に緊急事態宣言が解除されて営業を再開する店舗や施設も増えてきましたね。少しずつ街にも活気が戻ってきた様に感じます。休業要請が緩和されたといっても「新型コロナウイルス 」のワクチンや治療薬は開発段階のため、第2波、第3波を防止するための対策は欠かせません。

マスクはだいぶ出回ってきているものの、「アルコール」などの消毒液はいまだ入手困難な状況が続いています。「消毒」=「アルコール」と思う方も多いかと思いますが、「キッチンハイター」などに含まれている「次亜塩素酸ナトリウム」も「消毒液」として使用することが可能です。

今回は「消毒」のポイントや「アルコール」と「次亜塩素酸ナトリウム」の使い分けについてもご説明していきたいと思いますのでぜひ参考にしてみてください。

「消毒用アルコール」の使い方

一般的に手指消毒や飲料として販売されているのは「エタノール」という「アルコール」です。「アルコール」によって微生物の細胞膜や蛋白構造などが変性、破壊されることで「殺菌」されます。「アルコール」を使用する時の注意点は以下の通りです。

適性な「アルコール濃度」の製品を使用する

「アルコール」の「殺菌」作用を発揮させるために重要なのは「アルコール濃度」です。「アルコール」濃度が高ければ高いほど殺菌効果があるように思われるかもしれませんがそうではありません。アルコール濃度が高すぎるとかえって微生物の細胞膜や蛋白構造などの変性、破壊に時間がかかるというデータがあります。微生物に対する有効なアルコール濃度は「40〜80%」と言われています。

水気をよく拭き取った状態で噴霧する

適正濃度のアルコールを使用していたとしても消毒をする手指に水分が残った状態だと、アルコールが薄まり殺菌効果が弱まってしまいます。手洗いをした後、手指の消毒にアルコールを使用する際はしっかりと水気を取り除いてからアルコールを噴霧し、よく揉み込むことが大切です。

厚生労働省から手指消毒の手順が発表されていますので、下記の図を参考にしてください。

引用:厚生労働省HPより

不特定多数の方が来店する施設は入り口やトイレなどにこれらのポスターを掲示し、正しい手洗いと手指消毒を利用者に促すことも大切ですね。

「次亜塩素酸ナトリウム」の使い方

先ほどお伝えした通り、消毒には「アルコール」だけではなく、家庭用の塩素系漂白剤に含まれている成分が「次亜塩素酸ナトリウム」も有効です。「次亜塩素酸ナトリウム」を使用する際のポイントと注意点は以下の通りです。

適正な濃度に希釈して使用する

市販されている塩素系漂白剤は「次亜塩素酸ナトリウム」の濃度が5〜6%のものが一般的です。ドアノブやトイレなどの消毒には「0.02%(200ppm)」に希釈して使用することが推奨されています。「次亜塩素酸ナトリウム」濃度が6%の製品を使用する場合、「水3Lに対して10ml」の塩素系漂白剤をいれると「0.02%(200ppm)」の消毒液が出来上がります。

製造年月日の確認を!古いものは殺菌効果が低下しているので注意

「次亜塩素酸ナトリウム」を含む塩素系漂白剤は長期間の保管されていると分解が進み濃度が低下していきます。新しく購入してきたものであれば問題なと思いますが、自宅にストックしてあった漂白剤を使用する時には先ほどお伝えした使用量だと十分な殺菌効果が得られない場合があります。メーカーのHPにも購入から時間がたった塩素系漂白剤の使用方法が記載されていますので確認してみるとよいでしょう。また、消毒液は作りおきせず1日で使い切ることが大切です。

スプレーなどで噴霧するのではなく、基本は拭き取りで使用する

「次亜塩素酸ナトリウム」を含む消毒液を「アルコール 」の様にスプレーなどで噴霧して使用すると霧状の液を吸い込んだり、目に入ったりして危険です。基本は不織布などの布に染み込ませて消毒したい箇所を拭き取る方法で使用してください。「次亜塩素酸ナトリウム」には消臭効果もありますので、ジムなどのトレーニング機器へ使用するのもおすすめです。「次亜塩素酸ナトリウム」はアルカリ性の強い消毒液ですので、使用の際は手袋の着用を推奨します。アルコールなどのように手指消毒として使用するのは避けた方がよいでしょう。

色落ちに注意

漂白効果がある薬剤ですので、衣類の色落ちや金属製品の腐食、変色にも注意が必要です。

まとめ

「消毒」には「アルコール」だけでなく塩素系漂白剤の「次亜塩素酸ナトリウム」も使用することが可能です。「アルコール」の在庫が不足している場合は、「アルコール」は手指消毒用に、「次亜塩素酸ナトリウム」はドアノブやトイレ、マシンの消毒などの拭き取り消毒用に使用するとよいでしょう。それぞれの特性と使用上の注意をしっかりと理解し、上手に使い分けをしながら感染防止に勤めていただければと思います。

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/