お肉の栄養〜牛肉編〜

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。ついこの間まで満開だった桜ももう散り始めてしまいましたね。今年はのんびりとお花見も楽しめたので桜の季節は満喫できたのですが、なんだか少し寂しい気分です。

さて、今回は「お肉の栄養」第三弾、「牛肉」に関するお話です。皆さんは「牛肉」、「豚肉」、「鶏肉」のうちどのお肉が一番好きですか??私は安上がりに「鶏肉派」です。最近は年齢のせいか「牛肉」の脂が苦手になってきてしまいました。。。

牛肉の栄養

「牛肉」も「豚肉」同様、「たんぱく質」を多く含む食品です。「アミノ酸スコア」も「100」ですので「良質なたんぱく質」と言えるでしょう。何度もお伝えしているのですでにお分かり頂いていると思いますが、「たんぱく質」の摂取量が不足すると、「筋力低下」、「髪や肌が乾燥する」、「免疫力が低下する」などの弊害が出てきますので注意が必要です。

牛肉の栄養で注目したいのは、「たんぱく質」の他に「鉄分」や「亜鉛」のミネラル含有量です。

肉に含まれる鉄分、亜鉛量の比較

「牛肉」、「豚肉」、「鶏肉」に含まれている「鉄分」、「亜鉛」などのミネラル量を比較してみました。

カリウムマグネシウム亜鉛
輸入牛もも・脂身あり310mg21mg2.4mg3.8mg
和牛もも・脂身あり320mg22mg2.5mg4.0mg
ぶたもも・脂身あり350mg24mg0.7mg2.0mg
とりもも・脂身あり290mg21mg0.6mg1.6mg

参考)日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年

「もも肉」で比較してみると、「カリウム」や「マグネシウム」の量には大きさ差は見られませんが、「牛肉」の「鉄」と「亜鉛」の含有量は「豚肉」や「鶏肉」に比べて多いことがわかります。

「鉄」は日本人が不足しがちな栄養素の一つです。「鉄」は酸素の運搬をする「ヘモグロビン」という色素たんぱく質の合成に重要な役割を果たしています。「鉄」の不足が「貧血」の原因になるということはご存知の方が多いと思います。「鉄不足」は摂取量の不足だけでなく、体内での必要量の増加に伴って不足する場合もあります。つまり、有酸素運動を頻繁に行う場合は体内の酸素必要量が増加するため、体内での「鉄」の需要が高くなり「鉄不足」の状態になる可能性があります。ランニングやロードレースなどを行なっている方は特に「鉄不足」に注意しましょう。

そして、「亜鉛」は、いまさら聞けないミネラルのお話(詳しくはこちらhttps://limitest.jp/meal/not-hear-mineral/ )でも触れさせて頂きましたが、「たんぱく質」の合成に関与している「ミネラル」の一つです。

「牛肉=脂が多い」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、「鉄分」や「亜鉛」などのミネラルを摂取するという観点からみると、とても優秀な食品です。ご自身の現状と目的に応じて適切な食品を選択できる様になると良いですね。

「牛肉」の部位別栄養価

上の写真からもわかるように、「牛肉」は「豚肉」に比べて部位が細かく分けられています。スーパーに良く売られている「肩ロース」、「バラ」、「サーロイン」、「ヒレ」、「もも」の部位別の栄養価を比較してみました。

100gあたりの部位別栄養価(脂身あり)

エネルギーたんぱく質脂質
肩ロース240kcal17.9g17.4g
サーロイン298kcal17.4g23.7g
ヒレ133kcal20.5g4.8g
もも165kcal19.6g8.6g
ばら371kcal14.4g32.9g
ひき肉272kcal17.1g21.1g

やはり、「バラ肉」は「脂質」が多いですね。「ヒレ肉」や「もも肉」は「脂質」が少なく、「たんぱく質」が多いです。「豚肉」同様、極力「たんぱく質」摂取量を増やし、「脂質」摂取量を抑える場合は「ヒレ肉」や「もも肉」の様な「赤身」を選択するのが良いでしょう。

炊飯器で超簡単!ローストビーフ

前回は炊飯器で作るローストポークのレシピをご紹介しましたが(詳しくはこちらhttps://limitest.jp/meal/お肉の栄養〜豚肉編〜/ )またしても簡単に作って頂ける「炊飯器で超簡単!ローストビーフ」のレシピのご紹介です。基本的な作り方は「ローストポーク」と同じ。今回はしょうゆベースの和風の味付けにしました。

材料

材料分量切り方等
牛もも肉250g
小さじ1肉の重量の2%が目安です
こしょう少々
赤ワイン50cc
たまねぎ1/2個すりおろし
にんにく1片スライス
しょうゆ大さじ2
みりん大さじ1
オリーブオイル小さじ1

すりおろし玉ねぎと一緒に牛肉を漬け込むことで肉が柔らかくなります。赤ワインとにんにくは肉の臭み消しと風味づけに使用しています。

作り方

1、牛肉に塩胡椒で下味をつけ、ジップロックに入れ赤ワイン、すりおろしたまねぎ、にんにくと一緒に冷蔵庫で一晩ねかせる
2、1を冷蔵庫から出し30分程度常温にする
3、フライパンにオリーブオイルを入れ強火にかけ、油が温まったら2の肉とを入れ表面に焼き色をつける
4、ジップロックの中のつけ汁も一緒にフライパンに入れ一煮立ちさせる
5、新しいジップロックに4を入れ、なるべく空気を抜いてチャックをする
6、炊飯器に5と沸騰したお湯(袋が完全にかぶる程度のお湯を入れてください)を入れ保温スイッチを押し 25分程度放置する
7、袋を取り出し流水で冷まし、食べやすい大きさに切り皿に盛り付けたら出来上がり

「ローストポーク」同様、炊飯器で加熱する時間はお肉の大きさに応じて調整をしてみてください。保温時間は豚肉よりも10-15分程度短めでも大丈夫です。お肉の断面は切ってからしばらく空気に触れさせることでキレイなロゼ色になります。ご自身のお好みの火入れ加減を見つけて見てくださいね。

肉を調味料に一晩漬け込んで、表面をフライパンで焼いた後に炊飯器で保温するだけで簡単に出来てしまいます。「たんぱく質」摂取にもおすすめですが、パーティーなどのおもてなし料理としても使えるレシピですので、ぜひ試してみてください。

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/