こんにちは!管理栄養士の高安です。ラグビーのW杯はかなり盛り上がりましたね!次はいよいよ2020年の東京オリンピック。今年から来年にかけて「スポーツ」がかなり注目される年になりそうです。
さて、今回は「代謝」についてお話したいと思います。「代謝」という言葉はみなさんも聞いたことがあるかと思いますし馴染がある言葉だと思います。では、そもそも「代謝」とは何でしょうか?
臓器による代謝の仕組みはこちら「代謝とは?〜細胞レベルでの代謝〜」で説明させていただいております。
「代謝」とは?
「代謝」とは私たちが生命活動を維持していく上で欠かせない体の中の反応です。私たちのカラダは数多くの細胞が複雑に組み合わさって構成されています。私が学生の頃は「人間の細胞は60兆個」と習いましたが、最近では60兆個もなく「37兆個」という説も出ているようです。私たちのカラダに存在する多くの細胞は常に分解と合成を繰り返すことで生命活動を維持しています。この「分解と合成を繰り返す」状態を「新陳代謝」と呼んでいるのです。
みなさんには「カタボリック(異化)」と「アナボリック(同化)」という表現をした方がわかりやすいかもしれません。
これらの言葉は「筋肉の生合成」というイメージが強いかもしれません。ですが、「カタボリック(異化)」と「アナボリック(同化)」は「筋肉の生合成」に限らず「代謝」全般において行われているのです。体内へ摂取した「食べ物」や体の組織を分解し「エネルギーを産生」することを「カタボリック(異化)」と呼びます。それに対して、「アナボリック(同化)」は摂取した「食べ物」などからカラダの細胞を「合成」することを言います。「食べ物」を摂取したのち、「カタボリック(異化)」によってエネルギーが産生され、体内に吸収された後は「アナボリック(同化)」という作用で細胞が合成されていきます。この二つの反応はそれぞれ単独で行われているのではなく、常に連動し繰り返されています。体内で「カタボリック(異化)」と「アナボリック(同化)を繰り返す上で不要となった物質は尿や便、汗などとして体外に排泄されるという仕組みです。
「エネルギー」とは?
では、そもそも「エネルギー」とはなんなのでしょうか?車がガソリンで動くように、私たちのカラダにも活動していくためのガソリンが必要です。私たちにとってのガソリンはなんでしょうか?そう、日々摂取している「食べ物」です。「食べ物」を体内に取り込み分解、つまり「カタボリック(異化)」の状態にする過程で活動のための「エネルギー」が生み出されます。この「エネルギー」が「ATP(アデノシン3リン酸)」という物質なのです。食べ物自体が持っているエネルギーや「カタボリック(異化)」の状態で生み出されるエネルギーのことを「カロリー」とも呼んでいます。
臓器における「代謝」の違い
先ほどもお伝えした通り、私たちは日々「食べ物」を摂取し、分解、代謝することで最終的にはエネルギー源である「ATP(アデノシン3リン酸)」を生み出すことで生命活動を維持しています。カラダにある様々な臓器が一様にどの物質でも分解、代謝し「ATP(アデノシン3リン酸)」を生成することができるかというと実はそうではありません。体内の臓器の役割や機能が異なるのと同じように、それぞれの臓器が利用しやすい物質も異なっています。
「代謝」に関わりの深い臓器は「肝臓」、「腎臓」、「筋肉」、「脳」などです。その中でもエネルギー産出に利用できる物質に特異性があるのは、「筋肉」、「心臓」、「脳」です。
「筋肉」では主に「グルコース」が主なエネルギー源なのに対して、「心臓」では「グルコース」よりも多くのエネルギーを生み出すことができる「脂肪酸」を主に利用しています。「脳」は基本的には「グルコース」しかエネルギー源として利用することが出来ませんが、飢餓時には脳は「グルコース」だけでなく「ケトン体」もエネルギー源として利用することができます。
臓器によってそれぞれ異なる代謝経路を持っているという事がわかっていただけましたでしょうか?ちなみに、「肝臓」は食べ物の消化吸収から排泄まで全ての代謝に関わる役割を果たしているとても重要な臓器です。
いかがでしたでしょうか?今回ご紹介したのは「臓器」レベルでの「代謝」のお話。次回はさらに細かく「細胞」レベルでの「代謝」について触れていきたいと思います。
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/