大豆イソフラボンとは?摂取するメリットと1日の摂取目安

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。大豆に含まれている大豆イソフラボンという物質をご存知ですか?今回は大豆イソフラボンとはどの様な物質なのか、大豆イソフラボンの機能性や安全性について、大豆イソフラボン及び大豆製品の1日の摂取目安量についてお話ししたいと思います。

大豆イソフラボンとは?

大豆イソフラボンとはポリフェノールの一種で、大豆の中でも特に大豆胚芽に多く含まれている化学物質です。大豆イソフラボンは糖が結合した「大豆イソフラボン配糖体(ダイジン、ゲニスチンなど)」と大腸における腸内細菌の酵素の働きで大豆イソフラボン配糖体に糖の部分が分離し、糖が結合していない「大豆イソフラボンアグリコン(ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン)」の総称のことを言います。

大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ているため、植物性エストロゲンとも言われており、体内でエストロゲンの作用を助け、カルシウムの吸収を促進し骨粗鬆症を予防するとされています。大豆イソフラボンには骨粗鬆症や乳がん、前立腺がんの予防効果が期待されている一方で、乳がん発症や再発のリスクを高める可能性も考えられており、ヒトにおける大豆イソフラボンの有効性と安全性についての議論は確立していないのが現状です。

大豆食品に含まれる大豆イソフラボン及び、大豆イソフラボンアグリコンの量は以下の通りです。

大豆食品中の大豆イソフラボン含有量[mg/100g( )内は平均値]  
大豆イソフラボン量大豆イソフラボンアグリコン換算量
もめん豆腐32〜56(40)18〜32(23)
きぬごし豆腐26〜61(38)15〜35(21)
充てん豆腐20〜52(37)12〜29(21)
大豆161.4〜352.0(247.8)88.3〜207.7(140.4)
みそ19.6〜92.6(59.1)14.3〜81.4(49.7)
しょうゆ0.7〜1.4(1.0)0.7〜1.2(0.9)

引用:農林水産省HP「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」

同じ種類の食品でも大豆イソフラボンや大豆イソフラボンアグリコンの含有量に大きな差があるのがわかります。

大豆イソフラボンの1日の摂取量は?

食品安全委員会が2006年5月に発表した「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」によると、大豆イソフラボンの有効性と安全性についての議論は確立していない状況ですが、一般の大豆食品を摂取している程度の量の大豆イソフラボンによる明らかな健康被害は報告されていないため、健康食品などから長期間にわたって1日の上限量(70〜75mg/日)を超えて大豆イソフラボンを摂取しない限り、直ちに健康被害に結びつくものではないとされています。

また、先ほどの表からもわかる通り、大豆製品中の大豆イソフラボンアグリコンの含有量は同じ食品でも製品によってばらつきが大きいため、大豆イソフラボンの総摂取量の上限値の目安がどのくらいの大豆食品に相当するか計算することはできない。としています。

厚生労働省と農林水産省が発表している「食事バランスガイド」では、大豆食品は肉や魚、卵と同じ「主菜」に分類され、1日あたりの摂取量はそれぞれの食品を組み合わせて3〜5皿が適当と設定されていますので、1日の大豆食品の摂取量の目安にするとよいでしょう。

引用:厚生労働省HP「食事バランスガイド」

まとめ

私たち日本人にとって、大豆食品はとても身近で日常的に摂取している食品です。大豆イソフラボンの有効性と安全性については明確になっていませんが、大豆食品のみを摂取している場合の健康被害については現在のところ報告されていないため、大豆イソフラボンを含むサプリメントなどを日常的に1日の摂取上限量を超えて摂取していない限り、さほど気にする必要はないでしょう。

大豆は低脂質高タンパクな食品であり、カルシウムやイソフラボン以外にも様々な機能性物質が含まれているため、健康維持のためにも肉や魚、卵などと組み合わせて日々の食事に取り入れていくことをおすすめします!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/