ナッツの栄養

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。最近では美容やダイエットのためにナッツ類を食事に取り入れている方も多いのではないでしょうか?ナッツ類には多くのビタミンや食物繊維などが含まれ、からだへの効果も期待できますが、脂質を多く含む食品です。脂質の質は良いとはいえ食べ過ぎると肥満の原因にもなります。今回はナッツの栄養と効果、1日の適正な摂取量についてお伝えしたいと思います。

ナッツとは?

ナッツとは、一般的に硬い殻に包まれた食べることができる果実や種子のことをいいます。くりやくるみ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ピスタチオなどが代表的なナッツ類です。文部科学省が発行している「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」では、種実類はらっかせいを除いて、穀類あるいは豆類以外の種子及びその製品と定義され、46食品が掲載されています。らっかせいは豆類に分類されていますが、脂質含有量が高いため、日本食品標準成分表では種実類に分類されています。

ナッツの栄養

代表的なナッツの栄養価をまとめました。

エネルギー(kcal)たんぱく質(g)脂質(g)ビタミンE(mg)ビタミンB6(mg)カリウム(mg)マグネシウム(mg)カルシウム(mg)
くるみ いり713kcal14.6g68.8g1.2mg0.49mg540mg150mg85mg
アーモンド いり 無塩608kcal20.3g54.1g29mg0.08mg740mg310mg260mg
ヘーゼルナッツ フライ 味付け701kcal13.6g69.3g18mg0.39mg610mg160mg130mg
カシューナッツ フライ 味付け591kcal19.8g47.6g0.6mg0.36mg590mg240mg38mg
マカダミアナッツ いり 味付け751kcal8.3g76.7g0mg0.21mg300mg94mg47mg
ピスタチオ いり 味付け617kcal17.4g56.1g1.4mg1.22mg970mg120mg120mg
らっかせい 小粒種 いり607kcal26.5g49.4g11mg0.46mg770mg200mg50mg

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

上の表からもわかる通り、ナッツ類の主な栄養成分は脂質で、100gあたりの栄養価は他の食品と比べてもかなり高くなっています。食べ過ぎてしまうと太りやすいのは納得できますよね。

ナッツ類に含まれる脂肪酸の割合は以下の通りです。

総量(g)飽和脂肪酸(g)一価不飽和脂肪酸(g)多価不飽和脂肪酸(g)
くるみ いり67.41g6.87g10.26g50.28g
アーモンド いり 無塩51.86g4.13g35.09g12.65g
ヘーゼルナッツ フライ 味付け66.26g6.21g54.74g5.31g
カシューナッツ フライ 味付け45.79g9.97g27.74g8.08g
マカダミアナッツ いり 味付け73.25g12.46g59.23g1.56g
ピスタチオ いり 味付け53.49g6.15g30.92g16.42g
らっかせい 小粒種 いり48.15g10.76g20.57g16.82g

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ナッツに含まれている脂質の大半は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸です。(脂質に関する詳しい記事はこちら)一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸に比べて体内のLDLコレステロールを減らす働きがあるといわれています。

ナッツ類に含まれているビタミン・ミネラルの効果

ナッツ類に多く含まれているビタミン・ミネラルと栄養効果は以下の通りです。

ビタミンE

ビタミンEは脂溶性ビタミンで、強い抗酸化作用があるといわれています。体内の脂質の酸化を防いだり、生体膜の機能を正常に保つ効果があります。動脈硬化の予防やLDLコレステロールを減少させる効果も期待できます。ビタミンEはアーモンドやらっかせいに多く含まれています。

ビタミンB6

ビタミンB6はたんぱく質の分解を助ける栄養素です。トレーニングなどで日頃からたんぱく質を積極的に摂取しているかたにおすすめのビタミンです。その他にも免疫機能を正常に働かせたり、神経伝達物質の代謝の補酵素としても重要な役割を果たしています。ビタミンB6はピスタチオに多く含まれています。

カリウム

カリウムは体内にたまった余分な塩分を体外に排出し、血圧を下げる効果があります。血圧が高めのかたにはおすすめのミネラルで、ピスタチオに多く含まれています。

マグネシウム

マグネシウムはカルシウムとともに骨をつくるのに重要な役割を果たしているミネラルです。また、マグネシウムには動脈の弛緩効果があるため、血圧を下げる効果があるといわれています。アーモンドやカシューナッツ、らっかせいに多く含まれています。

カルシウム

カルシウムは骨の材料となるミネラルです。それ以外にも血液の凝固を促進したり、筋肉の収縮を促すなど、からだの生理機能を調整するうえで重要な役割を果たしています。アーモンドやヘーゼルナッツ、ピスタチオに多く含まれています。

1日の適量はどのくらい?

だいたいどのナッツでも1日の摂取量は10〜20粒程度、1日200kcal以下を目安にしていただくとよいでしょう。写真の量が1日に食べる量の目安です。食べる時もいっきに食べるのではなく、1回につき5粒程度を数回にわけて食べるようにしましょう。からだに良い成分を含んでいるからといって食べすぎると肥満の原因になりますので、注意してください。

まとめ

ナッツ類はビタミンやミネラル、体内にとって有効な働きのある脂肪酸を多く含んでいますが、全体的に脂質含有量が高く、高カロリーな食品です。からだに良い成分を含んでいるからといって食べ過ぎてしまうと肥満につながる可能性があります。1日の適正摂取量を把握し、上手に毎日の食事にとりいれていくようにしましょう。

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/