運動せずにプロテインを飲むだけで痩せるのか?

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。先日「運動せずにプロテインを飲むだけで痩せる!」という話を紹介したテレビ番組があり、SNSでちょっとした話題になっていましたね。「〇〇だけダイエット」「これだけ飲めばマイナス○kg」などあたかもその食品だけを摂取していれば誰でも簡単に減量できるという記事もたまにみかけますが、残念ながらそんなに甘い話はありません。今回は改めて「プロテイン」とはなんなのかと体重が増減する仕組みをおさらいしていきたいと思います。

「プロテイン」とは?

「プロテイン」を日本語に訳すと「たんぱく質」という意味です。「たんぱく質」は「炭水化物」「脂質」とあわせて三大栄養素と呼ばれ、私たちの日々の活動に関するエネルギーや筋肉、臓器などカラダの構成成分として非常に重要な栄養素の一つです。

「たんぱく質」は肉や魚、牛乳やヨーグルトなどの乳製品や大豆製品に多く含まれています。「たんぱく質」は複数の「アミノ酸」から構成されています。(アミノ酸に関する詳しい記事はこちらhttps://limitest.jp/meal/not-hear-amino/

肉や魚などは「たんぱく質」だけではなく、「脂質」や「炭水化物」も同時に含んでいる複合的な食品です。それに対してサプリメントとして販売されている粉末や液体の「プロテイン」は余分な炭水化物や脂質を削除することで100gあたりの「たんぱく質」含有量を高め、代謝に必要なビタミンやミネラルを添加しているという特徴があります。

「プロテイン」は低脂質高たんぱくという特徴を持っているだけで、肉や魚などの食品となんら変わりはない、たんぱく質を多く含む食品の一つです。「プロテイン」を摂取したからといって「痩せる」というのは間違いです。「プロテイン」の種類も関係ありません。残念ながら「ホエイプロテイン」でも「ソイプロテイン」でも「プロテイン」を飲んだから痩せるという科学的根拠は証明されていません。

どうしたら体重は減る?

何度かお伝えしていますが、体重の増減は「1日の消費カロリー」と「1日の摂取カロリー」のバランスで決まります。「1日の消費カロリー」が「1日の摂取カロリー」を上回れば体重は減り、「1日の消費カロリー」が「1日の摂取カロリー」を下回れば体重は増えます。「1日の消費カロリー」と「1日の摂取カロリー」が変わらなければ体重は変わらないというのが体重の増減の基本的な仕組みです。

今よりも体重を落としたければ運動することにより「1日の消費カロリー」を上げるか食事量をコントロールすることで「1日の摂取カロリー」を抑えるかこのどちらかになります。

1日に摂取してもよりエネルギー量を確認しよう

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で設定されている1日の摂取エネルギー必要量は以下の通りです。

男性の推定エネルギー必要量   
身体活動レベルⅠ 身体活動レベルⅡ身体活動レベルⅢ
18~29歳2,300kcal2,650kcal3,050kcal
30~49歳2,300kcal2,700kcal3,050kcal
50~64歳2,200kcal2,600kcal2,950kcal
65~74歳2,050kcal2,400kcal2,750kcal
75歳以上1,800kcal2,100kcal-
女性の推定エネルギー必要量   
身体活動レベルⅠ 身体活動レベルⅡ身体活動レベルⅢ
18~29歳1,700kcal2,000kcal2,300kcal
30~49歳1,750kcal2,050kcal2,350kcal
50~64歳1,650kcal1,950kcal2,250kcal
65~74歳1,550kcal1,850kcal2,100kcal
75歳以上1,400kcal1,650kcal-

参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)

この表はあくまでも目安になります。身長、体重やBMI、筋肉量などによって個人で必要なエネルギー量が異なりますので詳しくは管理栄養士などの専門家に相談するとよいでしょう。

大切なのは食事のバランスを意識すること

1日の摂取カロリーを適正に保つことと同時に大切なのは、「食事のバランス」を意識することです。ついつい「カロリー」ばかりに目がいきがちですが、カロリーの中身も重要です。それが食事のバランス。つまり「PFCバランス」です。(詳しくはこちらhttps://limitest.jp/meal/2019_0109_pfc_balance/ )摂取カロリーだけを気にしすぎると「食事のバランス」が崩れてしまうこともあります。「PFCバランス」を適正に保つことで肥満や生活習慣病を予防できると言われています。

まとめ

残念ながら特定の食品を摂取しただけで体重が減るということはありません。リバウンドせず無理しないで体重コントロールをしていくことが大切です。ポイントは1日の摂取カロリーと消費カロリーのバランスと食事のバランスです。これを意識して健康的な体重コントロールを行うようにしてくださいね!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/