そもそも「免疫」とは?

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。最近は「免疫」や「免疫力」などというワードを頻繁に目にすることが増えてきましたね。新型コロナウイルス の流行をうけて「免疫力をあげる」などとうたった食品やサプリメントなど様々な商品が出回っています。それらの商品の中には全く効果のないものが含まれていることもありますので注意が必要です。
今回はそもそも「免疫」とはなんなのか。という基本のお話をしていきたいと思います。

「免疫」とは?

以前、「免疫」に関しては「グルタミンと免疫の関係」の記事でもお話させていただきました。(詳しくはこちらhttps://limitest.jp/meal/2019_1120_gulutamine/ )
私たちの体内には細菌やウイルスなどが侵入してきた際にカラダを守ってくれる防御反応が存在します。この防御反応のことを「免疫」と呼びます。そして、「免疫」に関係している細胞を「免疫細胞」と呼びます。「免疫細胞」はリンパ球、マクロファージ、樹状細胞などがあります。これらの「免疫」機能が正常に働くことで感染症などの病気にかかりにくくなり、強いカラダが作られるのです。

「全身免疫」と「粘膜免疫」

「免疫」は大きく「粘膜免疫」と「全身免疫」にわけられます。

粘膜免疫

「粘膜免疫」は口や鼻など外界と接触している箇所に存在し、唾液、涙、鼻粘膜、気管分泌液、腸管分泌液などに含まれています。「粘膜免疫」で大きな役割を果たしているのが「腸内環境」とも言われています。

「全身免疫」

「全身免疫」は「血液中」や「リンパ節」などで働く「免疫」のことを言います。

体内に細菌やウイルスが侵入してきた場合、まず「粘膜免疫」が機能します。その後、リンパ節や脾臓、血液中で活動する「全身免疫」に移行するという流れです。「腸内環境」の悪化が「全身免疫」にも悪影響を及ぼすという研究結果も発表されており、「免疫」と「腸内環境」の関係性は大きいこともわかります。

「抗体」とは?

最近では「抗体」という言葉を良く耳にすることが増えました。私たちのカラダは細菌やウイルスに感染すると「リンパ球」の一種である「B細胞」は「免疫グロブリン(抗体)」を産生し、細菌やウイルスなどの「抗原」を攻撃します。「免疫グロブリン(抗体)」の種類は以下の通りです。

IgG

「IgG」は血液中にもっとも多く含まれる「免疫グロブリン(抗体)」です。

IgA

血液中に存在する「血清型IgA」と唾液や母乳、腸管分泌液などに存在する「分泌型IgA」の2種類があります。「IgA」は「粘膜免疫」に関与し、腸管などの粘膜で外から入ってくる細菌やウイルスなどの「抗原」に対して感染防御をしていると言われています。

IgM

「IgM」は細菌やウイルスなどの「抗原」が体内に侵入した際に最初に合成されます。「免疫グロブリン(抗体)」のなかでも最も大きな分子量を持ちます。

IgD

「IgD」はまだ不明な点が多い「免疫グロブリン(抗体)」です。

IgE

「IgE」は食物アレルギーや花粉症などで増加する「免疫グロブリン(抗体)」で、5種の「免疫グロブリン(抗体)」の中でも最も濃度が低いと言われています。

一度病原体に感染すると細菌やウイルスなどの「抗原」は体内に「免疫記憶」として残ります。そして、再度同じ「抗原」が体内に侵入してきた際に「抗原」を封じ込める働きをするという機能が備わっています。これが「獲得免疫」です。インフルエンザなどのワクチンは強制的に「獲得免疫」を取得させる方法です。

まとめ

細菌やウイルスの侵入からカラダを守る機能が「免疫」と呼ばれるものです。「免疫」機能を正常に保つためのポイントもご紹介していますので、こちらの記事も併せてご確認ください。過度なダイエットや睡眠不足の状態が続くと「免疫」が正常に働きにくくなってしまいます。3食しっかりと食べ、十分な休養をとることで「免疫」機能を正常に保ち感染症にかかりにくい強いカラダを作っていってくださいね。

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/