こんにちは、管理栄養士の高安です。今年の夏も暑いですね。ヨーロッパでは7月中から40℃を超えるなど、世界的に酷暑が続いています。暑い夏に最も注意しなければいけなのは、熱中症です。熱中症は最悪の場合、意識不明となり死亡してしまうこともあります。熱中症を予防するためには日ごろからこまめに水分を補給することが大切です。今回はからだに水分が不足しているとどんな症状がでるのか、脱水や熱中症を予防するための水分補給のポイントについてもご紹介します。
1日に必要な水分はどのくらい?
私たちの体の約60%は水分で構成されています。体内の水分の5%を失うと、脱水症状や熱中症などの症状が現れ、10%を失うと筋肉の痙攣などの症状がおこり、20%を失うと死に至る危険性が高くなるといわれています。脱水が進み体内の水分が少なくなることで体温調整が難しくなり最悪の場合は死にいたってしまいます。
私たちは1日生活の中で、尿や弁から約1.6L、不感蒸泄(呼気や皮膚呼吸などから無意識に蒸発している水分のこと)として約0.9L、合計で約2.5Lの水分を体外に排出しています。食事からも水分は摂取できますので、飲料としては最低でも1〜1.5Lの水分を毎日摂取する必要があります。
からだが出している「脱水」のサインを見逃さない!
体内が脱水の状態になるとカラダは様々なサインを出します。熱中症を予防するためには、それらのサインを見逃さずに適切な水分補給を行うことが大切です。
口の中が乾燥し、喉がかわく
最もわかりやすい脱水のサインが口の中が乾燥している状態です。喉がかわいたと感じる時には既に体内は脱水が進んでいることがあります。発汗量の多い夏場は喉のかわきを感じる前にこまめに水分を補給するようにしましょう。舌が白っぽくなっているのも脱水のサインです。
尿の色が濃くなる
体内が脱水している時は尿の色が濃くなります。トイレに行った時はご自身の尿の色をチェックする習慣をつけると良いでしょう。いつもより濃い黄色の時は脱水のサインです。尿の量が少なくなっている場合は慢性的に体内が脱水状態になっていることもありますので注意が必要です。
つりやすくなる
脱水によって体内の水分が少なくなると体内の血液量も低下します。そうなると手や足などの末端まで血液や必要な栄養素が行き渡りにくくなり筋肉が痙攣し、つりやすくなります。発汗と同時に体内のミネラルも排出されていることもつる一つの要因です。
水分補給に適している飲料は?
日頃の水分補給は水や麦茶、ほうじ茶などカフェインや糖分が入っていない飲料が適切です。コーヒーや緑茶、紅茶などはカフェインの利尿効果によりかえって体内の水分が排泄されやすくなってしまいますので、通常の水分補給は水や麦茶、ほうじ茶を利用するようにしてください。外での長時間の作業やスポーツ、すでに先ほどご紹介した脱水症状が見られる時にはスポーツドリンクがおすすめです。塩分濃度0.1〜0.2%、糖分4〜8%のイオン飲料が効果的といわれています。市販されているスポーツ飲料は塩分と糖分が含まれています。日頃からがぶがぶ飲むには適しませんが、脱水気味だなと感じた時にはぜひ水分補給にとりいれてみてください。
水分補給のタイミングと1回で摂取する量はどのくらい?
環境省と厚生労働省が発表している熱中症予防のための水分補給のタイミングと1回で摂取する量は以下の通りです。
1日あたり1.2Lを目安に水分補給を
1日の水分補給の目安はコップ約6杯、1.2Lです。
1時間ごとにコップ1杯
のどがかわいていなくても1時間ごとにコップ1杯の水を飲むことを意識しましょう。
入浴前後や起床後もまず水分補給を
入浴による発汗で体内の水分が失われますので、入浴の前後には必ずコップ1杯の水分を摂取するようにしましょう。睡眠中にも多くの水分が失われています。就寝前や起床後も積極的に水分を摂取するようにするとよいでしょう。
大量に汗をかいた時は塩分も忘れずに
大量に汗をかいた時には水分だけでなく、塩分や糖分も一緒に摂取するようにしましょう。外に出る時はタブレットなどを持ち歩くことをおすすめします。市販のスポーツドリンクや経口保水液の状況に応じて活用してください。
まとめ
喉のかわきや体調不良を感じた時にはすでに脱水が進み、熱中症になっているとこはよくあります。暑い夏をのりきるためにも小まめに水分補給をするようにしましょう。食事でも水分補給ができますので、3度の食事もしっかり摂取するようにしてくださいね!
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/