上手な「プロテイン」の選び方とは?

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。みなさんが「プロテイン」を選ぶ基準は何でしょうか?「使用されている原材料」、「たんぱく質含有量」、「飲みやすさ」、「価格が安い」といった声をよく耳にします。みなさん「たんぱく質含有量」以外の裏面の原材料表示はしっかりと確認していますか?「プロテイン」と言っても製品により特徴は様々です。「たんぱく質含有量」だけでなく、それ以外の成分にも注目してみてください。「プロテイン」に含まれている「たんぱく質」以外の成分も「たんぱく質」の消化・吸収を考慮すると実はとても重要なのです。今回は「たんぱく質」の消化・吸収にも着目した「プロテイン」の選び方をお伝えしたいと思います。

「たんぱく質」の代謝

「プロテイン」の選び方をお伝えする前にまずは「たんぱく質」の代謝についておさらいしてみましょう。「たんぱく質」は体内に入るとまず胃から分泌される「ペプシン」という酵素により分解されます。その後、膵臓から分泌される「トリプシン」、「キモトリプシン」という酵素によってさらに細かく分解されます。最終的には小腸に存在する「ペプシターゼ」という酵素によって「アミノ酸」まで分解されて体内に吸収されていきます。体内に吸収された「アミノ酸」は肝臓に運ばれ、エネルギー源や新しい「たんぱく質」を合成するための材料として利用されます。これが一連の「たんぱく質」の代謝の流れです。

「たんぱく質」の代謝を助ける栄養素

「たんぱく質」の代謝を助ける栄養素は以下の通りです。

「ビタミンB6」

「たんぱく質」の代謝で重要な役割を果たすのが「ビタミンB6」です。「ビタミンB6」は体内で「たんぱく質」が合成される時に必要とされます。効率よく「筋肉」を作りたい時には「たんぱく質」と一緒に「ビタミンB6」の摂取も意識するとよいでしょう。

「ビタミンB6」の1日の必要量は以下の通りです。

男性女性
推奨量(18歳以上)1.4mg1.1mg

参考)日本人の食事摂取基準2020

「ビタミンB6」を多く含む食品をまとめました。それぞれ100gあたりの数値を記載しています。

エネルギーたんぱく質ビタミンB6
みなみまぐろ95kcal21.6g1.08mg
かつお・秋獲165kcal25g0.76mg
鶏ささみ114kcal24.6g0.66mg
牛レバー132kcal19.6g0.89mg
にんにく136kcal6.4g1.53mg
バナナ・生86kcal1.1g0.38mg
ピスタチオ615kcal17.4g1.22mg

参考)日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2018年

「ビタミンB6」は「カツオ」や「マグロ」などの赤身の魚や「レバー」、「鶏肉」などの「動物性食品」に多く含まれています。「たんぱく質」を多く摂取する時には「ビタミンB6」も一緒に摂取するように心がけるとよいでしょう。

「糖質」

「たんぱく質」を体内に吸収しやすくするためには「糖質」の存在が欠かせません。「糖質」のなかでも「ブドウ糖」が重要な役割を果たしています。「ブドウ糖」を摂取すると体内では「インスリン」というホルモンが分泌されます。この「インスリン」が「アミノ酸」を筋肉に吸収させるために重要な働きをしています。「プロテイン」を摂取する時には一緒に「ブドウ糖」を含む「糖質」を摂取することを忘れないようにしましょう。

上手な「プロテイン」の選び方

「プロテイン」は大きく「たんぱく質含有量を限りなく多くしたもの」と「消化吸収も考慮して様々な栄養素を配合したもの」の2つにわけられます。どちらの製品もそれぞれメリットがありますので、ご自身の状況と「プロテイン」以外の食事やサプリメントの摂取状況に応じて適切な「プロテイン」を選択することをおすすめします。それぞれのメリットと使い方及び注意点についてまとめました。

「たんぱく質含有量を限りなく多くしたプロテイン」

「ビタミン」や「糖質」など余計な栄養素を除くことで「たんぱく質」の含有量を限りなく多くしているのが特徴です。アスリートの増量期やボディビルダーなどストイックにカラダづくりをしている方が好んで使用しているケースが多いですね。「たんぱく質」消化吸収を助ける「ビタミン」や「糖質」は含まれていませんので、「プロテイン」以外の食事やサプリメントなどで「たんぱく質」の代謝に必要な栄養素を十分に補給するようにしてください。

「消化吸収も考慮して様々な栄養素を配合したプロテイン」

「たんぱく質」の消化吸収を助ける「ビタミン」や「糖質」も一緒に配合されているのが特徴です。「プロテイン」初心者の方にはこちらがおすすめです。特に代謝に必要な「ビタミンB群」は必ずと言って良いほど配合されていますので安心ですね。「プロテイン」を摂取するだけで1日に必要な「ビタミン」の多くが摂取できる場合もありますので、「プロテイン」をサプリメント代わりに摂取するという方法もあります。

まとめ

「プロテイン」と言っても製品によって特徴は様々です。裏面の一括表示や栄養成分表示を良く確認し、ご自身の状況や目的に応じて適切な「プロテイン」を選択してみてくださいね!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/