食物繊維とたんぱく質を一緒に摂ると吸収を阻害するの?

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。最近、糖や脂肪の吸収を抑える効果や便秘解消効果などで食物繊維が注目されていますね。余分な糖や脂質の吸収を抑えてくれるのは嬉しいですが、食物繊維がたんぱく質の消化吸収に与える影響はどうなのでしょうか?今回は、食物繊維とは何なのか、食物繊維の機能性や食物繊維のたんぱく質の吸収に与える影響についてまとめたいと思います。

食物繊維とは?

食物繊維は炭水化物のうち、ひとの消化酵素によって消化されにくい食物中の難消化性成分の総称のことです。食物繊維にはセルロース、ペクチン、グルコマンナンなどがあり、大きく「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分類されています。

水溶性食物繊維は果物やきのこ、海藻類や大豆や大麦、こんにゃくに多く含まれ、不溶性食物繊維は穀類、豆類、ごぼうなどに多く含まれています。

食物繊維を多く含む食品は以下の通りです。

食物繊維含有量(可食部100gあたり)   
玄米・めし1.4gブロッコリー・生5.1g
はいが精米・めし0.8gオクラ・生5.0g
さつまいも皮なし・生2.2g乾燥わかめ・水戻し5.8g
里芋・生2.3g納豆6.7g
板こんにゃく・精粉こんにゃく2.2g生しいたけ4.9g
ごぼう・生5.7gぶなしめじ・生3.0g

参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

1日に必要な食物繊維の量はどのくらい?

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」に1日の食物繊維摂取量の目標値が設定されています。年代別男女別の1日に必要な食物繊維の摂取量は以下の通りです。

食物繊維の食事摂取基準(g/日)  
男性女性
18〜29歳21g以上18g以上
30〜49歳21g以上18g以上
50〜64歳21g以上18g以上
65〜74歳20g以上17g以上
75歳以上20g以上17g以上

参考:日本人の食事摂取基準(2020年度版)

平成30年の国民健康・栄養調査の結果によると、実際の食物繊維の摂取量の平均値は14g前後となっていて、食物繊維の摂取目標値に対して実際の食物繊維摂取量が少ないのが現状です。

食物繊維の機能性

食物繊維の機能性は以下の通りです。

余計な糖質や脂質を排出する

食物繊維のうち、水溶性食物繊維には糖質や脂質を吸着し体外に排出してくれる作用があると言われています。水溶性食物繊維は海藻やこんにゃくなどの芋類に多く含まれているため、糖質や脂質が多い食事の時には海藻類やイモ類など、水溶性食物繊維を多く含む食品も一緒に摂取するとよいでしょう。

血糖値の急激な上昇を抑える

糖質が多い食事は血糖値が急激に上昇する可能性があり、血管へのダメージが危惧されています。野菜・海藻・きのこ類に含まれている水溶性食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにするため、野菜を最初に食べることで血糖値の急上昇を防ぐことが可能になります。また、野菜を食べることで、咀嚼回数が多くなり満腹感も得られるため食べ過ぎの防止にもつながります。

便秘予防

食物繊維は腸内環境を整える効果があるため、便秘予防に効果的な栄養素です。便秘予防のためには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を1:2の割合で摂取するようにしましょう。便秘の状態が続くと腸内環境も悪化すると言われていますので、可能な限り便秘は解消しておくとよいでしょう。

食物繊維はたんぱく質の吸収を阻害する?

一部の研究では、食物繊維と糖質、たんぱく質、脂質を同時に摂取した場合、食物繊維がそれぞれの栄養素の消化吸収に対して、抑制的に作用するという結果も発表されています。たんぱく質を摂取する際に過剰に食物繊維を摂取すると、たんぱく質の吸収を妨げる可能性はゼロではありません。ですが、先ほどもご紹介した通り食物繊維には様々な機能性があるため、たんぱく質の吸収を妨げる可能性があるかといって極端に食物繊維の摂取を避けるのは控えた方がよいでしょう。

まとめ

食物繊維には余計な糖質や脂質を体外に排出したり、血糖値の急激な上昇を抑えたりと様々な機能性があると言われています。その反面、たんぱく質の消化吸収を妨げる可能性もあるのは事実です。ですが、先ほどもお伝えした様に1日の食物繊維摂取の目標量が20g前後なのに対して、実際の摂取量は不足しているのが現状です。食物繊維がたんぱく質の消化吸収を妨げる可能性があるからといって、食物繊維の摂取を控えるのではなく、健康を維持するためにも、主食・主菜・副菜を揃えたバランスの良い食事を意識し、野菜や海藻類など食物繊維が多く含まれる食事をすることをおすすめします!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/