コンビニ飯で「たんぱく質」摂取を確保するには〜番外編:一括表示〜

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。今まで4回にわたり「コンビニ飯でたんぱく質摂取を確保するには」ということでコンビニでの商品の選択方法についてご紹介してきました。詳しくはこちら(セブンイレブン編:https://limitest.jp/meal/2019_0425_seveneleven/ファミリーマート編:https://limitest.jp/meal/2019_0522_familymart/ローソン編:https://limitest.jp/meal/2019_0618_lawson/ミニストップ編:https://limitest.jp/meal/2019_0726_ministop/)

4つの記事を書いているなかでふと一括表示のみかたについてどこまで一般消費者に皆さんが理解されているのだろうか?という疑問がわきました。特に「塩分」の表示に関してはわかりにくいのではないでしょうか。今回は「番外編」ということで「一括表示」についてお話させて頂きたいと思います。

2020年には栄養価の表示が義務化される

20154月に施行された「新食品表示法」により原則として全ての消費者向けの加工食品への栄養成分表示が義務化されることになりました。現在は移行期間中のため、栄養価表示がない商品があったり、記載の方法も改正前と後の表示方法が混在している状況です。

記載が義務化される栄養成分は以下の通りです。

栄養成分表示100gあたり
エネルギー0kcal
たんぱく質0.0g
脂質0.0g
炭水化物0.0g
食塩相当量0.0g

ここで注目して頂きたいのが「食塩相当量」と「ナトリウム」表示の違いです。現状の栄養成分表示では「ナトリウム」で記載されている場合と「食塩相当量」で表示されている場合、またはその2つが併記されている場合と商品によって様々。コンビニで販売されている弁当や惣菜は「ナトリウム」量が記載されていることが多い様に感じます。

20204月の「新食品表示法」の施行後には基本的に「ナトリウム」ではなく「食塩相当量」で記載することが法令で定められています。

「ナトリウム」と「食塩相当量」の違い

加工食品に記載されている栄養成分表示で注意して頂きたいのは「ナトリウム」=「食塩相当量」ではないということです。日頃から「減塩」や「1日に必要な食塩量」として提唱されているのは「ナトリウム」ではなく「食塩相当量」のことを言います。ですが、現状の食品表示に記載されているのは「ナトリウム」の表記であることが多いです。これでは消費者としても混乱してしまいますよね。この「分かりにくさ」が今回の「新食品表示法」施行の理由の一つでもあります。

では、「ナトリウム」を「食塩相当量」に変換するにはどうしたらよいのでしょうか。少し化学の復習をしてみたいと思います。「食塩」は元素記号で表すと「NaCl」。つまり、ナトリウム(Na)と塩素(Cl)の二つの原子が結合した化合物です。ナトリウムの原子量が23、塩素の原子量が35.5。この二つが結合して出来た「食塩」の原子量は58.8。つまり、「ナトリウム」の2.54倍が「食塩相当量」ということになります。

難しいことが苦手!という方は単純に

食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1,000

という計算式を覚えていていただければよいと思います。「ナトリウム量」は「mg」で記載されていますので、上記計算式で求められる食塩相当量の単位は「mg」になります。一般的に「食塩相当量」は「g」で表されますので「/1000」をする必要があります。

ややこしいですね。。。

外食やコンビニ食での「食塩の取りすぎ」に注意

「日本人の食事摂取基準2015」では1日の「食塩摂取量」の目標量は「男性8.0g未満」、「女性7.0g未満」とされています。実際の塩分摂取量はこれらの目標値を上回っているのが現状です。特に外食やコンビニで食事を済ませることが多いかたは「塩分」の過剰摂取になりがちです。ぜひ「ナトリウム」と「食塩相当量」の違いを理解していただき、正しく一括表示を見ていく様にしてください。「塩分」は体にとって不可欠な栄養素です。ですが、摂りすぎると生活習慣病などの原因にもなってしまいます。ご自身のライフスタイルや食事の状況を把握することで適正な塩分摂取を心がけていってくださいね。

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/