冬の定番!鍋でPFCバランスを整えるコツ

レシピ

こんにちは!管理栄養士の高安です。朝、ふとんから出るのがツラくなってきました。
さて、冬の定番といえば鍋。鍋は用意も簡単で野菜もたくさん食べられるため、食卓に登場する機会も多いのではないでしょうか?そんな冬の定番、鍋料理の栄養バランスを気にしたことはありますか?選ぶ鍋の種類によっては、全体の摂取カロリーやたんぱく質、少なくなってしまうこともあります。今回は鍋の種類別の栄養と栄養バランスを整えるコツをお伝えします。

栄養バランスが整うとは?

食事の栄養バランスの良し悪しを判断する上で指標となるのが、PFCバランスというものです。PFCバランスとは総エネルギー摂取量に対する、たんぱく質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)由来のエネルギー摂取量の構成比のことを言います。

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準2020年度版」に記載されている理想的なPFC比率はこちら。

 総エネルギーに占める割合1gあたりのカロリー
たんぱく質(P)13〜20%4kcal
脂質(F)20〜30%9kcal
炭水化物(C)50〜65%4kcal

参考:日本人の食事摂取基準(2020年度版)

最近では、ご飯やパンなどの主食を食べない糖質制限をしているかたも多くいらっしゃいます。たんぱく質、脂質、炭水化物にはそれぞれ体内で役割が異なり、どれか一つの栄養素が不足したり、過剰に摂取しすぎたりすることで体の不調につながる可能性もあります。あくまでも推奨されているPFCバランスの範囲内での食事を摂取するようにしましょう。

鍋の種類によって栄養バランスはどう違う?

鍋といえば水炊き、キムチ鍋、モツ鍋あたりが定番メニューとして思い浮かぶと思います。それぞれの栄養バランスをみてみましょう。

水炊き(一人前)

材料
鳥もも肉 150g
豆腐100g
白菜100g
春菊50g
ねぎ50g
えのき50g
ポン酢   50ml

参考:KONAMIカロリDietのデータをもとに作図

水炊きは鶏がらや昆布からとったスープで肉や野菜を煮込んで食べるシンプルな鍋です。あっさりとしていますが、カロリーはあまり高くありません。野菜をたくさん食べられるので満腹感は感じやすいかもしれませんが、お腹がすくのも早くありませんか?ダイエット中の方にはよいかもしれませんが、トレーニング中の方にとっては全体的に栄養が不足しています。炭水化物が極端に低くなってしまいますので、〆に雑炊やうどんなどを食べるようにするとよいでしょう。

キムチ鍋(一人前)

材料
豚バラ肉100g
豆腐100g
白菜100g
ネギ50g
ニラ30g
えのき30g
キムチ鍋の素

※キムチ鍋スープを7割摂取したとして計算

参考:KONAMIカロリDietのデータをもとに作図

キムチの辛さとコクが美味しいキムチ鍋。肉は豚バラ肉が一般的です。豚バラ肉は油が多いので、脂質が気になる方は豚肩ロースなど脂質が少ない部位の肉にかえてみてもよいでしょう。水炊き同様、炭水化物が少なくなりがちなので、PFCバランスを整えるためには〆の一品は欠かせません。韓国風のトッポッキも原材料は米ですので、炭水化物がしっかりと摂取できます。

モツ鍋(一人前)

材料
モツ100g
キャベツ150g
ニラ30g
豆腐100g
にんにく1片
モツ鍋スープ

参考:KONAMIカロリDietのデータをもとに作図

モツ鍋は牛や豚のモツ(ホルモン)とニラやキャベツ、にんにく、豆腐と一緒に醤油ベースのスープで煮込んだ福岡県の郷土料理です。モツはビタミンAやビタミンB群、コラーゲンなどの栄養素が多く含まれています。やはりPFCバランスを整えるためには〆の炭水化物が必須です。〆には博多の名物であるちゃんぽん麺がおすすめです。

鍋の栄養バランスを整えるためには?

鍋はたんぱく質は割ととりやすいですが、炭水化物が不足しやすいということがわかりました。〆で雑炊やうどんを入れることで栄養バランスを整える様にしましょう。〆まで食べるとお腹がいっぱいになってしまう場合は、じゃがいもやかぼちゃ、さつまいもなどの炭水化物を多く含む食品を具材としてプラスしてもOKです。水炊きの様にカロリーが低いメニューの場合は、ポン酢ではなく、胡麻だれも使ってみたり、〆の雑炊に卵や風味づけのごま油をひとまわししてみてもよいでしょう。

PFCバランスを意識した鍋料理をご紹介します。

たんぱく質も炭水化物もしっかり摂取!きりたんぽ鍋

材料(一人分)

材料
きりたんぽ2本(150g)
鶏もも肉・皮つき150g
鍋用カット野菜200g
めんつゆ大さじ2
だし汁300cc

「きりたんぽ鍋」のPFCバランス

参考:KONAMIカロリDietのデータをもとに作図

きりたんぽの材料はお米です。〆の炭水化物を考えなくても、きりたんぽ鍋でしたらPFCバランスが整うので嬉しいですね。

まとめ

冬の定番の鍋料理は単品では炭水化物が不足しがちです。PFCバランスの整った栄養バランスのよい食事にするためには、一緒にご飯を食べるか、〆に雑炊や麺などを食べるかして炭水化物をしっかりと摂取することが大切です。炭水化物は悪者に見られがちですが、適正量を摂取していれば太ったりすることはありません。食事で大切なのは、栄養バランスを意識することです。主食(炭水化物)・主菜(たんぱく質)・副菜(野菜類)を揃えることでバランスのよい食事を心がけていきましょう。

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/