こんにちは!管理栄養士の高安です。皆さんは栄養補給にはタイミングがとても大切ということをご存知でしたか??今までの記事でカラダの仕組みや栄養の代謝について少しずつ触れてきましたが、それらをしっかりと理解してくると栄養を補給するタイミングがとても重要ということがわかってくると思います。
「糖新生」とは?
私たちのカラダの中のエネルギー貯蔵物質は、肝臓と筋肉にある「グリコーゲン」だというお話は前回させて頂きました。詳しくはこちら(https://limitest.jp/meal/グリコーゲンローディングのお話/)ここでも少し触れていましたが、筋肉を分解してエネルギー源にする方法が「糖新生」と呼ばれるものです。「糖新生」は肝臓や腎臓で行われ、糖質が分解されエネルギーになる「解糖系」という経路を遡ることで血糖維持に重要なグルコース(ブドウ糖)を作り出す代謝経路のことを言います。つまり、体内の「グリコーゲン」が少なくなってくると自然に筋肉を分解してエネルギーに変換しているのです。詳しく説明すると、筋肉が分解され、「アラニン」というアミノ酸になり、「糖新生」によって「グルコース(ブドウ糖)」となり血液中に放出されます。「糖新生」が起こり始めるのは、肝グリコーゲンが6割程度になった頃。つまり食事から4時間程度経過した頃です。エネルギーが不足した状態が長く続くと、どんどん筋肉は分解されていってしまうため、食事を抜くことはNGです。食事の内容と食事の時間を意識して計画的に栄養補給する様にしていきましょう。
糖質の種類を意識してみる
筋肉の分解を防ぐためには、常に肝グリコーゲンの量を満タンにしておけば良いということになります。ですが、これには3〜4時間おきに常に食事をしている必要があり、あまり現実的ではありません。そして、ずっと食べ続けていると臓器も常に働いている状態になり、カラダにも負担がかかってしまいます。食べる栄養素の種類にもよりますが、常に膵臓はインスリンを分泌している状態になってしまいます。「インスリンの分泌」に注目して、糖質の種類をうまく使い分けるのもおすすめです。
単糖類とインスリン分泌の関係 | |
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グルコース | インスリン分泌あり |
フルクトース | インスリン分泌はほとんどない |
ガラクトース | 少量のインスリン分泌あり |
果物に含まれている「果糖(フルクトース)」は非常にエネルギー効率が良い糖質です。逆を返せば、他の栄養素でエネルギーが十分に補給されている場合は、余分なエネルギー源となり体脂肪として蓄えられるという性質があります。この「果糖(フルクトース)」の性質をうまく利用することで、インスリンを分泌させず不足しているエネルギーを充足させ、筋肉を分解する「糖新生」を防ぐことが可能になるのではないでしょうか。
栄養補給のタイミングと種類
体重80kgの男性が効率よく栄養補給するタイミングをまとめてみました。
食事内容 | 摂取出来るたんぱく質量の目安 | |
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朝食:7時 | ごはん、目玉焼き、納豆、味噌汁、フルーツ | 約38g |
補食:11時 | バナナ、豆乳 | 約9g |
昼食:13時 | 丼ぶりごはん、チキンソテー、野菜サラダ、スープ | 約56g |
トレーニング1時間前 | おにぎり | 約3g |
トレーニング後 | おにぎり、プロテイン | 約30g |
夕食:20時 | 丼ぶりごはん、鮭の塩焼き、豆腐サラダ、フルーツ | 約50g |
合計 | 約181g |
朝食を食べたあと、肝グリコーゲンが減少し筋肉を分解し始める食後4時間後に「果糖を多く含むバナナ」と「たんぱく質を多く含む豆乳」を摂取。昼食後、トレーニングの1時間前に不足し始めたエネルギーを「おにぎり」で補給し、トレーニングによるエネルギー消費と筋肉の分解による糖新生を防止。トレーニング後は筋繊維回復の為の「プロテイン」と、その吸収を促進するインスリンを分泌させるための「おにぎり」を補給。そして、夕食では良質なたんぱく源である「魚」と「豆腐」を摂取する。といった感じです。
いかがでしたでしょうか??筋肉を効率よく付けていくためには、栄養の種類とタイミングをぜひ意識してみてくださいね。
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/