「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」の違いってなに?

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。炭水化物、糖質、糖質制限、糖類ゼロという言葉をよく聞くようになったかと思いますが、それぞれの違いをしっかり理解していますか?似たような言葉なので、同じものだと認識している方もいらっしゃるかもしれません。今回は改めて、炭水化物とはなんなのか。糖質と糖類の違いや、糖質ゼロと表記されている食品がどのようなものなのか、また、糖質の役割についてまとめたいと思います。

炭水化物とは?

まず糖質と糖類の話をする前に、炭水化物とは何なのかを整理しておきましょう。炭水化物とは、たんぱく質、脂質と並んで三大栄養素と呼ばれ、1gあたり4kcalの熱量を持っています。炭水化物は米やパン、麺や芋類、果物などに多く含まれている栄養素で、炭水化物は大きく、エネルギー源となる糖質と消化吸収されずエネルギー源にならない食物繊維に分類されます。食品に表示されている炭水化物の量には特別な記載がない限り、糖質と食物繊維の合計値が記載されています。

糖質と糖類の違いとは?糖質ゼロと糖類ゼロはどう違う?

糖質はさらに、単糖類・二糖類からなる糖類と小糖類、多糖類、糖アルコール、その他に分類されます。

糖類ゼロとは?

糖類とは、単糖類と二糖類のことを指すため、糖類ゼロと表記されている食品は、単糖類であるブドウ糖や果糖、二糖類である砂糖や麦芽糖を含まない食品のことをいいます。砂糖や麦芽糖などは使用されていませんが、糖アルコールであるキシリトールなどの甘味料は使用されている食品です。

糖質ゼロとは?

糖質は炭水化物から食物繊維を除いたものを指します。糖質ゼロと表記されている食品は、炭水化物から食物繊維を除いた、糖類(単糖類や二糖類)、少糖類、多糖類、糖アルコールが含まれていない食品になります。

食品に表示されている「糖類ゼロ」「糖類ゼロ」などの表示は消費者庁の食品表示基準によって基準が定められています。「ゼロ」という表示をみると、全く含まれていないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではありません。消費者庁の食品表示基準では、食品100gあたり(清涼飲料水などの場合は100mlあたり)0.5g未満の含有量であれば、「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」と表示することが許可されています。

過度の糖質制限は危険!糖質制限ではなく、糖質の適量摂取を

糖質や糖類を制限することがよいことだと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそうではありません。糖質は体を動かすエネルギー源として、とても重要な栄養素です。確かに、糖質を過剰に摂取することによって、体重が増加したり、血糖値が急激に上昇することはありますが、これは糖質が悪いのではなく、過剰に糖質を摂取することがいけないということを忘れないようにしましょう。糖質を過度に制限すると栄養バランスが崩れたり、摂取エネルギーが不足しかえって体に負担をかけてしまったりすることもあります。あくまでもご自身に必要な量の糖質は1日の食事から摂取するようにしましょう。1日に必要な糖質の摂取量目安についてはこちら

まとめ

炭水化物、糖質、糖類の違いについてご理解いただけましたでしょうか?炭水化物や糖質と聞くと悪者のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、全くもってそんなことはありません。悪いのは炭水化物や糖質ではなく、それらを食べすぎることです。ご自身の体格や活動量をしっかりと把握し、必要に応じて適正なエネルギー摂取を行なっていくようにしましょう!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/