こんにちは!管理栄養士の高安です。みなさんは普段からどのぐらい睡眠時間を確保していますか?7時間程度が最も死亡率が低い睡眠時間なのだそうです。日本人の睡眠時間は諸外国と比較しても短いと言われています。(下図参照)
図:就労者の睡眠時間の国際比較
引用:厚生労働省HP
睡眠時間が短くなることでカラダに様々な不調が現れることがあります。今回は「睡眠」のメカニズムや効果についてお伝えしていきたいと思います。
なぜ夜になると眠くなる?
私たちのカラダには「体内時計」というものが存在します。「体内時計」の働きにより自然と日中は活動的になり、夜間は休息するというリズムが出来上がっています。「体内時計」の働きで夜になると自然と眠くなるのです。「体内時計」と関係が深いのが「ホルモン」です。私たちが「眠気」を感じるのは「メラトニン」という「ホルモン」が作用するためです。この「メラトニン」は「光」によって調整されています。日光の光を浴びることで「メラトニン」の分泌が抑制されます。その後14〜16時間経過するとまた「メラトニン」が分泌され眠気を感じるようになります。夜間に強い光を浴び続けると「体内時計」が乱れ、眠れないなどの不調が現れることがあります。
寝ている間、カラダはどうなっている?
「睡眠」の役割は以下の通りです。
脳の疲労回復と記憶の整理
日中の活動によって疲労した脳とカラダをやすめることが「睡眠」の大きな役割の一つです。また、「睡眠」により記憶が整理され定着すると言われています。みなさんも徹夜でテスト勉強をするよりも、しっかりと「睡眠」をとった時の方が記憶力が向上していた。という経験があるのではないでしょうか。
「ホルモン」分泌と「ホルモンバランス」の調整
就寝中には様々な「ホルモン」が分泌されます。「ホルモン」の働きによって筋肉や骨の成長が促されたり、カラダの機能が調整されたりしています。カラダの調子を整えるという意味でも「睡眠」はとても重要な役割を果たしています。就寝中に分泌される「ホルモン」とそれぞれの役割については次項で詳しく説明させていただきます。
「食欲」の調整
「睡眠」と「食欲」には深い関係があるということがわかってきています。「食欲」は「レプチン」という脂肪細胞から分泌される「食欲を抑えるホルモン」と「グレリン」という胃から分泌される「食欲を増進するホルモン」によって調整されています。睡眠時間が短くなると「レプチン」の分泌量が減少し「グレリン」の分泌量が増加するという研究結果もあります。
「睡眠」と「ホルモン」の関係
先ほどもお伝えした通り、「睡眠」と「ホルモン」は密接な関係にあります。就寝中に分泌される「ホルモン」とそれぞれの役割をまとめました。
「成長ホルモン」
「成長ホルモン」は脳下垂体前葉から分泌される「ホルモン」です。「成長ホルモン」は「たんぱく質の合成促進作用」、「成長促進作用」などがあります。「成長ホルモン」は就寝後90分で分泌量が最大になると言われています。「睡眠」をしっかり取ることで「成長ホルモン」が分泌され、骨や筋肉の成長を促してくれます。また、スポーツやトレーニングなどで崩壊した筋肉を修復するためにも「成長ホルモン」は重要な役割を果たしています。
「メラトニン」
先ほどもお伝えした通り、「睡眠」を誘発する「ホルモン」が「メラトニン」です。「メラトニン」は日中に分泌量が低く、夜間に高くなるという特徴があります。
「コルチゾール」
「コルチゾール」は副腎皮質から分泌される「ホルモン」です。「コルチゾール」は覚醒直前に多く分泌されます。覚醒直前に分泌することで、日光や日中の活動による「ストレス」に備えるための準備をするためと言われています。「コルチゾール」の分泌は起床後60分程度で最大になりその後は減少していきます。最近では「コルチゾール」は「ストレス」を測定する指標としても注目されています。常に「ストレス」を受けている状態が続くと「コルチゾール」の分泌量が高くなり自律神経や内分泌系への悪影響を及ぼす可能性があります。
まとめ
「睡眠」はカラダの調子を整える上でとても重要な役割を果たしています。特に「睡眠」と「ホルモン」は密接な関係にあります。「睡眠」は健康なカラダを作る第一歩です。しっかりと「睡眠時間」を確保し、健康維持に勤めていきましょう。
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/