こんにちは!管理栄養士の高安です。豚肉は栄養満点!豚肉はからだによい!というキャッチコピーをみかけたことがあるかたも多いのではないでしょうか?豚肉は牛肉に比べると価格も安く、調理のしやすさなどから献立もとりいれやすい食材ですね。今回は豚肉が栄養満点といわれている理由、部位別のエネルギー量、調理方法によるカロリーカットのコツなどをご紹介します。
豚肉の栄養
豚肉には、からだを作るもとになるたんぱく質の他にビタミンB1、ビタミンB2などのビタミンB群が多く含まれています。ビタミンB群は炭水化物や脂質、たんぱく質の三大栄養素の代謝に関与するビタミンです。ビタミンB1は私たちが食べ物を食べてからエネルギーに変換する経路(代謝経路)をスムーズに動かす上で欠かせないビタミンの一つです。代謝経路がスムーズに回らないと、疲れやすくなったり、頭がぼーっとしたりといったからだの不調が現れることがあるかもしれません。特に、糖質や脂質の代謝に欠かせないのが豚肉に含まれているビタミンB1とビタミンB2です。
また、豚肉のアミノ酸スコアは100ですので、豚肉は良質なたんぱく質だと言うことができます。アミノ酸スコアは食品のたんぱく質の栄養価をあらわす指標のひとつで、100に近ければ近いほど良質なたんぱく質であるといえます。(詳しくはこちらhttps://limitest.jp/meal/not-hear-amino/)
豚肉の部位別栄養価
豚肉の栄養価について詳しくみていきましょう。スーパーで私たちが見かける豚肉の部位としては「ロース」、「肩ロース」、「ヒレ」、「バラ」、「レバー」。そして、それらの肉をミンチ状にした「ひき肉」があります。それぞれどの辺りに位置しているかは下の写真を参考にしてみてください。

それぞれの部位の栄養価を比較してみました。
100gあたりの部位別栄養価(脂身あり)
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | |
ロース | 263kcal | 19.3g | 19.2g |
肩ロース | 253kcal | 17.1g | 19.2g |
ヒレ | 130kcal | 22.2g | 3.7g |
もも | 183kcal | 20.5g | 10.2g |
バラ | 395kcal | 14.4g | 35.4g |
ひき肉 | 236kcal | 17.7g | 17.2g |
参考)日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年
いかがでしたでしょうか?部位によって含まれているたんぱく質や脂質の量にかなりの差が出てきてしまいますので、選ぶ際には注意が必要です。なるべく脂質の摂取をおさえてたんぱく質を多く摂取したい方にはヒレ肉がおすすめです。ひき肉を選ぶ際には全体の色が赤っぽいものを選ぶようにしましょう。ひき肉は赤身と脂身を混ぜてミンチ状に加工しますが、価格を安くするために脂身を多く使用していることがあります。脂身が多いひき肉は全体的に白っぽくなっていますので、購入するときにチェックしたいポイントです。
調理の工夫でカロリーカットするコツ
たんぱく質やビタミンB群を豊富に含んでいる豚肉ですが、部位によっては脂も多く食べすぎるとカロリーオーバーになってしまうこともあります。比較的脂身の少ない部位を購入するという手もありますが、価格的にはバラ肉や細切れ肉など、脂を多く含んでいる部位の方が安い場合も多いですよね。そんな時は調理方法を少し工夫するだけでカロリーカットも可能です。
調理方法の違いによる部位別の栄養価はこちら。豚肉のなかでも脂身の多い、豚バラ肉で比較してみました。
豚ばら肉100gの調理によるエネルギーの変化 | ||
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 減少率(%) | |
生 | 395kcal | ー |
網焼き | 280kcal | 29% |
フライパン焼き | 348kcal | 12% |
茹で | 375kcal | 5% |
参考:調理のためのベーシックデータ第5版
茹でたり、網焼きにしたりすることで余分な脂をカットすることもできますし、テフロン加工のフライパンやオーブンを上手に使えば調理に使用する油を削減することも可能です。部位だけでなく、調理方法にも注目してみるとよいでしょう。
まとめ
豚肉には三大栄養素の代謝に欠かせないビタミンB群が多く含まれています。部位によっては脂が多く、食べすぎると摂取エネルギーが過剰になり、肥満や生活習慣病の要因となってしまうこともありますので注意してください。豚肉の脂肪が気になる場合は、脂身の少ない部位を選ぶだけでなく、今回ご紹介したように、調理法を工夫することで上手にカロリーカットができますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/