前回はアミノ酸の基礎知識についてまとめていきましたが、(詳しくはこちら http://limitest.jp/meal/not-hear-amino/ )いまさら聞けない栄養基礎知識シリーズの第2弾はアミノ酸の材料、[たんぱく質]についてのお話です。
「たんぱく質」とは
たんぱく質とは複数のアミノ酸が鎖状につながったもので、炭水化物・脂質とともに三大栄養素と言われます。
私たちのカラダの約60%が[水分]で出来ており、その次に大きな割合を占めるのが[たんぱく質]になります。
たんぱく質は筋肉や臓器、毛髪などカラダの構成成分の材料や消化吸収に欠かせない酵素やホルモンの材料にもなるとても大切な栄養素です。
たんぱく質が不足すると
●筋肉量の減少
●髪の毛や肌のトラブル
●集中力の低下
など様々なカラダの不調の原因になります。
高齢者の筋肉低下による寝たきりもたんぱく質の摂取不足が一因とも言われています。そして、最近では若い女性の「やせ」も問題に。カロリー制限をするあまり、たんぱく質を含むカラダ作りに必要な栄養素が全体的に不足してしまうため、体重は軽いのに体脂肪が多い隠れ肥満…なんて事にもなりかねません。
「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」
たんぱく質には肉、魚、卵、牛乳などの[動物性たんぱく質]と豆腐やきなこなどの[植物性たんぱく質]の2つがあります。プロテインでいうと乳成分を原材料としている[ホエイプロテイン]や[カゼインプロテイン]が前者、大豆を原材料としている[ソイプロテイン]が後者ですね。
動物性たんぱく質には体内で作り出すことが出来ない必須アミノ酸(詳細はこちら http://limitest.jp/meal/not-hear-amino/ )が多く含まれ、体内への消化吸収も良いとされています。成長期のお子さんや筋力が低下している高齢者の方の効率の良いたんぱく質摂取にオススメです。その一方で、植物性たんぱく質よりも脂質が含まれる割合が高いため過剰に摂取すると体重増加の要因にもなりかねません。
それに対して植物性たんぱく質は必須アミノ酸の一部が不足している事があり、動物性たんぱく質に比べると体内での利用効率も低いと言われています。ですが、動物性たんぱく質と比較すると脂質が低いため、ダイエット中の方にはおススメです。
厚生労働省が発表している[食事摂取基準(2015年版)]によると1日に摂取するたんぱく質の推奨量は成人男性で60g、女性で50g。動物性たんぱく質:植物性たんぱく質=1:1の割合で食べるのが良いとされています。
一般的によく購入されている食材の1食あたりのたんぱく質・脂質の含有量を下記に記載します。(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より)
たんぱく質(g) | 脂質(g) | |
---|---|---|
鶏もも肉(皮付き)100g | 17.3g | 19.1g |
豚肩ロース脂身つき100g | 17.1g | 19.2g |
牛肩ロース脂身つき100g | 16.2g | 26.4g |
鮭100g | 19.6g | 12.8g |
鶏卵1個 | 7.4g | 6.2g |
納豆1パック・50g | 8.3g | 5.0g |
豆腐1/4丁・75g | 5.0g | 3.2g |
無調整豆乳200cc | 7.2g | 4.0g |
ごはん150g | 9.2g | 1.4g |
食パン8枚切り1枚 | 4.5g | 2.1g |
成人男性で1日60gですので、朝昼晩3回の食事で必ず何かしらのたんぱく源を食事に取り入れる必要が出てきます。
ここで注意して頂きたいのは先ほどもお伝えした様に、肉や魚などの動物性食品は大豆などの植物性食品に比べたんぱく質が多く含まれていますが、たんぱく質だけではなく脂質も含んでいるということです。
繰り返しにはなりますが、たんぱく質が多く含まれているからと動物性食品ばかり食べていては体重増加や生活習慣病の原因になることもあるので注意が必要です。肉や魚は[たんぱく質]なのではなく、[たんぱく質を多く含む食品]でありたんぱく質だけでなく、脂質も炭水化物も含んでいるということを忘れないでくださいね。ごはんに含まれているたんぱく質の量を見ていただいてもわかるように、一般的に[炭水化物]と言われているごはんにもしっかりと[たんぱく質]も含まれています。
食事の基本は一つの食材に偏ることなく、色々と組み合わせバランスよく食べること。
まずはそこから始めてみてください!
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/