こんにちは!管理栄養士の高安です。先日、小学生のお子さんをもつご家族から「部活やクラブ活動がない時の食事はどうしたらよいですか?」という質問を頂きました。
急な休校や外出自粛要請に伴い、部活動やクラブ活動も見合わせている学校も多くなってきました。今まで毎日の様に運動していた子どもたちは急に学校にも部活にもいけなくなり、体力を持て余しているのではないでしょうか。もしかしたら毎日家でゲームができると喜んでいるかもしれませんね。
部活やクラブ活動がなくなった途端に食事や生活のリズムが乱れたりはしていませんか?夜遅くまでゲームをしていて朝起きる時間が遅くなってしまい、1日2食しか食べていない。家にいることが多く、運動していないからお腹がすかないのでご飯は食べない。など思い当たることはありませんか?練習ができる様になった時に今まで通りのパフォーマンスを発揮するためには、学校や練習がない今こそしっかりとカラダの調子を整えておくことが大切です。
練習があってもなくても、3食しっかりと食べる
練習がある時でも練習がない時でも「食事の基本」は変わりません。「食事」は私たちが「生きる」ために必要不可欠な行動の一つです。確かに、練習がある時とない時では1日に消費するエネルギー量に差はあります。だからといって朝昼夕の「食事」をおろそかにして良いというわけではありません。どんな時でも「食事」はかわらず3食しっかり食べる様にしましょう。
もう一度、朝昼夕、3食それぞれの役割を確認しておきましょう。
役割 | |
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朝食 | カラダと脳のスイッチを入れる 午前中の活動のエネルギー源となる |
昼食 | 午後からの活動のエネルギー補給 |
夕食 | 1日の活動で消耗したカラダの回復、成長 |
食事を3食決まった時間に食べることで、カラダの中から調子を整えることが可能になります。朝起きる時間が遅くなったからといって「朝食」を抜いてしまったり、お腹がすかないからと行ってスナック菓子を食事の代わりにしたりせず、まずはしっかりと3食食べる様にしてください。
練習がない時の「補食」の考え方
練習量が減った時の「補食」の考え方はどの様にしたらよいのでしょうか?いつも通り「補食」をとるべきか、練習がない時には「補食」を控えるべきか悩みますよね。そんな時にまず確認して頂きたいのが1日の「必要エネルギー」と「消費エネルギー」のバランスです。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」からジュニアアスリートが1日に必要な「エネルギー」量をまとめました。
男性の推定エネルギー必要量 | |||
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身体活動レベルⅠ | 身体活動レベルⅡ | 身体活動レベルⅢ | |
8~9歳 | 1,600kcal | 1,850kcal | 2,100kcal |
10~11歳 | 1,950kcal | 2,250kcal | 2,500kcal |
12~14歳 | 2,300kcal | 2,600kcal | 2,900kcal |
15~17歳 | 2,500kcal | 2,800kcal | 3,150kcal |
18~29歳 | 2,300kcal | 2,650kcal | 3,050kcal |
女性の推定エネルギー必要量 | |||
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身体活動レベルⅠ | 身体活動レベルⅡ | 身体活動レベルⅢ | |
8~9歳 | 1,500kcal | 1,700kcal | 1,900kcal |
10~11歳 | 1,850kcal | 2.100kcal | 2,350kcal |
12~14歳 | 2,150kcal | 2,400kcal | 2,700kcal |
15~17歳 | 2,050kcal | 2,300kcal | 2,550kcal |
18~29歳 | 1,700kcal | 2,000kcal | 2,300kcal |
練習がある時の必要エネルギーは「身体活動レベルⅢ」の数値を参考にしてください。それに対して、練習がなく大半を自宅で過ごしている場合は「身体活動レベルⅠ」の「エネルギー量」で問題ありません。
ご自身の状況に応じた1日の「必要エネルギー」と実際に摂取しているエネルギー量を見比べて「補食」の必要性を判断するようにしましょう。1日の「必要エネルギー」と普段の食事を比較して、朝昼夕の3食の食事で必要なエネルギーがまかなえていれば、練習が休みの時は「補食」を摂取しなくても問題ありません。もし3食の食事から摂取しているエネルギー量が1日の「必要エネルギー」と比較して不足している場合には変わらず「補食」は取り入れていただくとよいでしょう。
「補食」の質も意識
みなさんは「補食」としてどの様な食べ物を選択していますか?おすすめの「補食」については以前もご紹介しておりますので、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
「補食」は練習によって消費されたエネルギーを補うことが目的の一つですので、まずは「炭水化物」を中心に、「エネルギー源」となりやすい食品を選ぶとよいでしょう。「おにぎり」や「サンドイッチ」などの主食や「バナナ」や「りんご」などの果物が最適です。
なかなか外出が出来ないこの時期に「体づくり」を意識して自宅で筋力トレーニングを行っているお子さんもいるかもしれませんね。その場合は、「エネルギー」摂取にプラスして「たんぱく質」の摂取も意識するとよいでしょう。牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品や状況によっては「プロテイン」などを「補食」として取り入れてみることもおすすめです。
練習が休みだからといって不規則な生活を送るのではなく、この時期をどう過ごすかでこの先のパフォーマンスは大きく変わってくるということを忘れずに、1日1日を大切に過ごしていただければと思います!
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/