代謝とは?〜細胞レベルでの代謝〜

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。前回は「代謝」の仕組みと「臓器による代謝の違い」についてお話させて頂きました。(詳しくはこちら「代謝とは?〜臓器による代謝の違い〜」)今回は更に細かく「細胞レベル」での代謝についてお話していきたいと思います。

「代謝」に欠かせない「ミトコンドリア」の存在

はい、いきなり生物の授業になりました笑。 栄養士は文系の大学に分類されることが多いのですが、我々が常に取り扱っている「食べ物」も「カラダの仕組み」も実はかなり理系の内容です。ちなみに、料理も化学の要素が非常に強いです。「栄養」を勉強する上で「生物」や「化学」は非常に重要な学問になります。前回もお話しましたが、私たちのカラダは数兆個の細胞で構成されています。それらほとんどの細胞に「ミトコンドリア」は存在し「代謝」にとって非常に重要な役割を果たしています。

「ミトコンドリア」とは?

私たちのカラダの細胞の中には、DNAを保存している「核」、栄養代謝やエネルギーの合成を行う「ミトコンドリア」、不要なたんぱく質を分解する「リソソーム」、遺伝子からホルモンやたんぱく質を作る「リボソーム」などが存在しています。そして、これらの各小器官が「細胞膜」で囲われています。「細胞膜」より内側を「細胞内」、「細胞膜」より外側を「細胞外」と区別します。「細胞」のイメージは以下のイラストを参考にしてください。おそらく教科書に掲載されているのをみたことがあると思います。

これらの「細胞内」の小器官の中で「代謝」に大きく関与しているのは「ミトコンドリア」です。この「ミトコンドリア」は赤血球以外のほとんどの「細胞」に存在します。「ミトコンドリア」は「糖」や「アミノ酸」や「脂肪酸」などの食べ物の代謝産物を更に分解し、我々のエネルギーのもとになる「ATP(アデノシン三リン酸」を生成しているのです。この「ミトコンドリア」の中で行われている「ATP(アデノシン三リン酸」を生成する経路が「TAC回路」、「電子伝達系」と呼ばれるものです。

「ミトコンドリア」に入る前の代謝

いきなり「TCA回路」、「電子伝達系」の話をする前に、食べ物の代謝産物である「アミノ酸」や「糖」や「脂肪酸」がどの様にして「ミトコンドリア」内に入っていくのかについて説明したいと思います。「アミノ酸」や「糖」や「脂肪酸」まで分解されているとはいえ、細胞内の小さな器官である「ミトコンドリア」にまで到達するにはまだまだ分子として大きすぎます。「アミノ酸」や「糖」や「脂肪酸」がさらに分解されることで「細胞膜」を通過し、「ミトコンドリア」に到達してはじめて「TCA回路」、「電子伝達系」によって「ATP(アデノシン三リン酸」を生成し我々の活動のエネルギーとすることが可能になるのです。「アミノ酸」や「糖」や「脂肪酸」がどの様な物質に分解されていくのかを詳しくみていきましょう。

細胞レベルでの「アミノ酸」の代謝

食べ物から摂取した「たんぱく質」は体内で「アミノ酸」まで分解されます。その後、「アミノ酸」から「アミノ基」が離れることによって様々な物質に変換され「TCA回路」へと入っていきます。「アミノ酸」は最終的に分解される物質によって「糖原生アミノ酸」と「ケト原生アミノ酸」に分類されます。アミノ酸によっては「糖原生アミノ酸」と「ケト原生アミノ酸」どちらの性質も持ち合わせているものもあります。

「糖原生アミノ酸」とは「糖新生」の経路によって最終的に「グルコース(ブドウ糖)」に生成される「アミノ酸」です。代表的なものに「アラニン」や「グルタミン酸」などがあります。(「糖新生についてはこちらhttps://limitest.jp/meal/timing-of-nutrition/ )それに対して「ケト原生アミノ酸」とは代謝の過程で「脂肪酸」や「ケトン体」に転換され「アセチルCoA」という物質になり「TCA回路」に入っていきます。「アミノ酸」は分解される過程で必要に応じて「グルコース(ブドウ糖)」に変換されたり、「脂肪酸」に変換され代謝されていくのです。

かなり話が細かくなってきましたね。。。全て説明しているととても長くなってしまいそうなので、今回は「アミノ酸」の代謝までにします。次回は「糖」や「脂肪酸」についてです!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/