こんにちは!管理栄養士の高安です。最近気温の変化がめまぐるしいですが、体調は崩されていませんか??師走とは良く言ったもので、心なしか街も慌ただしい感じがしますね。
本日はジュニア期の栄養管理についてお話させて頂きたいと思います。ジュニア期の食事でお困りの方々はぜひ参考にしてみてください。
「ジュニア期」に必要な栄養はどのくらい?
まず初めに8歳~18歳までの期間を「ジュニア期」と定義したいと思います。「ジュニア期」の栄養管理を考える上で、成長に必要なエネルギーの補給と運動で消費するエネルギーの二つを意識する必要がります。私たちのカラダには1歳〜4歳頃に見られる「第一次成長期」と9歳〜12歳の思春期以降に見られる「第二次成長期」というものがあます。「第二次成長期」の始まる時期には個人差がありますが、一般的に女性の方が早く、8歳〜10歳、男性は9歳〜12歳頃に始まります。女子は初潮を迎えたり、男子は声変わりが始まったりと目に見えてカラダが変化してくるのもこの時期です。
日本人の食事摂取基準(2015年版)より、必要とされるエネルギー量をまとめました。
男性の推定エネルギー必要量 | |||
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身体活動レベルⅠ | 身体活動レベルⅡ | 身体活動レベルⅢ | |
8~9歳 | 1,600kcal | 1,850kcal | 2,100kcal |
10~11歳 | 1,950kcal | 2,250kcal | 2,500kcal |
12~14歳 | 2,300kcal | 2,600kcal | 2,900kcal |
15~17歳 | 2,500kcal | 2,850kcal | 3,150kcal |
18~29歳 | 2,300kcal | 2,650kcal | 3,050kcal |
女性の推定エネルギー必要量 | |||
---|---|---|---|
身体活動レベルⅠ | 身体活動レベルⅡ | 身体活動レベルⅢ | |
8~9歳 | 1,500kcal | 1,700kcal | 1,900kcal |
10~11歳 | 1,850kcal | 2.100kcal | 2,350kcal |
12~14歳 | 2,150kcal | 2,400kcal | 2,700kcal |
15~17歳 | 2,050kcal | 2,300kcal | 2,550kcal |
18~29歳 | 1,650kcal | 1,950kcal | 2.200kcal |
身体活動レベルがⅠ〜Ⅲまで3段階にわかれていますが、運動をしている方々は「身体活動レベルⅢ」のエネルギー量を参考にしてください。
これらの表からもわかる通り、「第二次成長期」を迎えるジュニアアスリートはエネルギーをしっかりと補給していく必要があります。持久系スポーツやコンタクト系で筋力を増強させたい場合はなおさら、しっかりとしたエネルギー補給が必要になります。
食事の基本を見直す
プロテインが良いと聞いたからプロテインを飲ませてみる。
サプリメントが良いと聞いたからサプリメントを飲ませてみる。
皆さんもご自分のお子様や周りのジュニアアスリートに対してこんな指導はしていませんか?それよりも前に、まずはどんな食事をしているか、これをしっかりと確認してみてください。どの年代のアスリートでも食事の基本は「主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品」を揃えることが基本になります。食習慣が形成される10代のジュニアアスリートはなおさら。朝は時間がないから食べない。昼はカップラーメンとおにぎり。ではなく、1回の食事の中で「主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品」をしっかりと揃えることからはじめましょう。
それぞれの食事の役割をまとめました。
主な食品 | 役割 | |
---|---|---|
主食 | ごはん、パン、麺など炭水化物が多い食品 | エネルギー源になる |
主菜 | 肉・魚・豆腐などたんぱく質が多い食品 | 筋肉の源になる |
副菜 | 野菜、きのこなどビタミン、ミネラルを多く含む | カラダの調整を整える |
汁物 | 味噌汁、スープなど | 水分補給、塩分補給(脱水予防) |
果物 | りんご、バナナなど | エネルギー源になる、リカバリー |
乳製品 | 牛乳、チーズ、ヨーグルトなど | 筋肉の源になる、骨を強くする |
皆さんの食事はいかがですか?健康食品に頼るのも間違いではありません。ですが、まず食事の内容を見直し、「主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品」を揃えた上で、どうしても不足してしまう栄養素を補う目的でプロテインやサプリメントを使用してくださいね。
三食しっかりと食べる
なぜ三食しっかりと食べる必要があるのでしょうか?私たちのからだは、「食べる」ことによって1日に必要なエネルギーを確保しています。食事によって補給されたエネルギーを蓄えているのが、肝臓と筋肉に存在する「グリコーゲン」というものです。肝臓と筋肉は1回の食事で蓄えておけるグリコーゲンの量に限界があります。1回の食事で蓄えられる「グリコーゲン」は長くても6時間前後しか持ちません。もし6時間以上何も食べない状態が続いたらどうなるのでしょうか??こちらでも説明しましたが(https://limitest.jp/meal/効率よく栄養補給するにはタイミングが大切!/)不足してしまったエネルギーを補うために、筋肉や脂肪細胞を分解し、生命活動を維持していきます。つまり、せっかく筋トレして筋肉を増やしたところで三食しっかりと食べないと、エネルギー不足がゆえに自分自身の筋肉を分解してしまうのです。もったいないですよね。。。
三食の役割をまとめました。
役割 | |
---|---|
朝食 | カラダと脳のスイッチを入れる 午前中の活動のエネルギー源となる |
昼食 | 午後からの活動のエネルギー補給 |
夕食 | 1日の活動で消耗したカラダの回復、成長 |
もし三食食べるだけでは必要なエネルギーを補えない場合は、食事の合間や練習前、練習後に「間食(補食)」を組み込むことをおすすめします。補食の目的はエネルギー補給がメインになりますので、「おにぎり」や「サンドイッチ」などの主食や「バナナ」や「りんご」などの果物が最適。砂糖を多く含んでいる「菓子パン」や「チョコレート」、「アイスクリーム」は補食にはならないので注意してください。
まとめ
どの年代でも食事の基本は一緒。まずは「主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品」をしっかりと揃えることから初めてくださいね。特にジュニア期はカラダの成長と運動によるエネルギー消費で相当量のエネルギー補給が必要になるということを忘れず、「強いカラダ」「勝てるカラダ」を作っていってください!
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/