睡眠の質をあげるための食事のポイント

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。眠りが浅くて、寝たはずなのに朝から疲れている。朝の目覚めが悪くてなかなか布団から出られない。など睡眠に関する悩みを持っているかたも多いのではないでしょうか?睡眠とホルモン、自律神経は密接な関係にあります。睡眠の質をあげるためには、睡眠に関係しているホルモンを正常に分泌させることと、自律神経を整えることが大切です。今回は質の良い睡眠をとるために食事の面からできることをご紹介したいと思います。

睡眠に関係するホルモンとは?

睡眠に関係するホルモンと役割は以下の通りです。

メラトニン

メラトニンは睡眠を誘発するホルモンです。メラトニンは日中に分泌量が低く、夜間に高くなるという特徴があり、メラトニンが分泌されることで、私たちは眠気を感じ、睡眠導入しやすくなります。メラトニンは日中にしっかりと太陽光を浴びることで分泌が促進されるといわれています。また、夜に蛍光灯やスマートフォンなどから発せられる光はメラトニンの分泌を抑制すると言われていますので、メラトニンを正常に分泌させるために、日中は可能な限り太陽光をあび、夜は極力明るすぎない環境ですごすことが大切です。

コルチゾール

コルチゾールは副腎皮質から分泌されるホルモンで、覚醒直前に多く分泌されます。覚醒直前に分泌することで、日光や日中の活動によるストレスに備えるための準備をするためと言われています。コルチゾールの分泌は起床後60分程度で最大になりその後は減少していきます。最近ではコルチゾールはストレスを測定する指標としても注目されています。常にストレスを受けている状態が続くとコルチゾールの分泌量が高くなり、自律神経や内分泌系への悪影響を及ぼす可能性があります。

睡眠の質と関係が深い自立神経とは?

自律神経は脳や脊椎に中枢があり、内臓や血管の働きを調整するために本人の意思とは関係なく動いています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経と副交感神経のバランスを調整することによって呼吸・消化活動・体温調整などを行なっています。交感神経は日中の活動時に優位になり、副交感神経は食事後の消化活動や就寝時に優位になります。

交感神経と副交感神経の役割は以下の通りです。

交感神経瞳孔が開く、心拍数増加、血圧上昇、気管拡張、消化抑制
副交感神経瞳孔が縮小、心拍数低下、血圧低下、気管拡張、消化促進

交感神経は多くの機能を促進するのに対し、副交感神経は多くの機能を抑制する作用があります。睡眠時には副交感神経が優位になるのですが、精神的ストレスや、気温や気圧の変化などによる物理的ストレスなどに影響され、交感神経が優位の状態が続くと、なかなか寝られない。という状態になってしまうことがあります。

自立神経を整え質の良い睡眠を確保するために重要な栄養素

自立神経を整え、質の良い睡眠を確保するために重要な栄養素をご紹介します。睡眠に関係しているホルモンの分泌に影響している栄養素や、自律神経を整えるために役立つ栄養素もありますので、睡眠の質をあげるためには意識的に摂取していきたいですね。

トリプトファン

トリプトファンは必須アミノ酸の一種です。トリプトファンはセロトニンという物質の材料になります。セロトニンは幸福ホルモンとも呼ばれています。セロトニンはストレスを感じた時に多く分泌され、ドーパミンやノルアドレナリンの分泌を抑制し、自律神経を整える働きがあります。また、就寝時にはセロトニンがメラトニンに変化します。先ほどもご紹介したように、メラトニンは睡眠を促進するホルモンのひとつです。セロトニンもメラトニンも自律神経を整えるうえでは重要な物質ですので、その材料となるトリプトファンをしっかりと摂取することが大切です。トリプトファンは大豆製品や卵、バナナに多く含まれています。

たんぱく質

先ほどご紹介したGABAやトリプトファンはアミノ酸の一種ですので、アミノ酸を豊富に含んでいるたんぱく質を摂取することも重要です。たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚や髪の毛だけでなく自律神経に関係しているホルモンの材料としても重要な役割を果たしています。夏場に麺類で簡単に食事をすませる方はたんぱく質が不足しやすくなります。1日に必要なたんぱく質は40〜60g程度。毎回の食事に何かしらのたんぱく質をとりいれることを意識してみましょう。

GABA(ギャバ)

GABAとはアミノ酸の一種です。近年、GABAには脳機能を改善する効果や血圧を下げる効果があるとして注目されています。GABAには交感神経が活発になるのをおさえる働きがあると言われていますので、自律神経を整えるためにおすすめの栄養素です。GABAは発芽玄米やトマト、茄子、ケールなどの野菜に多く含まれています。

まとめ

質の良い睡眠をとることで、1日を活動的に過ごすことが可能になります。今回ご紹介した睡眠の質をあげるためのポイントを参考にしていただき、睡眠の質を向上をしていただければと思います!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/