すっかり梅雨も明けて夏本番。スーパーには色とりどりの野菜が並び始めましたね。先月は夏野菜のひとつ「きゅうり」の栄養についてお話しさせて頂きました。(詳しくはこちらhttps://limitest.jp/meal/20190708_recipe/)今回は「きゅうり」と同じく夏野菜の仲間「ナス」と「ゴーヤ」についてです。家庭菜園をされている方はもしかしたら出来すぎて困っている野菜たちかもしれませんね。そんな今が旬な「ナス」と「ゴーヤ」を使った簡単レシピもご紹介させて頂きます。
「なす」の栄養
「なす」はナス科ナス属の野菜です。現在はハウス栽培もされている為、年中購入することが可能です。路地栽培の場合の「ナス」は6月下旬から9月ごろのが旬の季節になります。「なす」は前回お伝えした「きゅうり」同様、90%以上が水分です。あまり多くの栄養成分を期待することは難しいですが、「なす」の栄養として注目したいのは皮に含まれている「ナスニン」という栄養素です。
「ナスニン」とは「抗酸化作用」のあるポリフェノールである「アントシアニン」の一種で「なす」の皮に含まれています。濃い紫色が特徴で、「なす」の他にも赤ワインやブルーベリーなどにも含まれています。「アントシアニン」には目の網膜の再合成を促進する効果があると言われており、目の機能改善の効果が期待できるそうです。
「なす」を食べる時には皮に含まれている「アントシアニン」をしっかりと摂取する為に皮ごと食べることをお勧めします。また、「なす」は油との相性が非常に良い食材ですので「炒め物」や「揚げ物」にすると美味しく召し上がって頂けますよ。
先月ご紹介した「きゅうり」や今回ご紹介している「なす」には水分が多く、栄養価があまり高くない食材かもしれません。ですが、暑さによる発汗で体内の水分が失われやすい夏場には食品からの水分補給という意味ではとても有効な食材と言えるでしょう。(水分補給に関する記事はこちらhttps://limitest.jp/meal/20190708_recipe/)
「ゴーヤ」の栄養
「ゴーヤ」は「にがうり」とも呼ばれウリ科ツルレイシ科の野菜です。沖縄では日常的に食べられている食材ですが、まだまだ本州ではめずらしい食材かもしれません。夏の暑さをしのぐための「グリーンカーテン」としてご自宅で栽培されている方もいらっしゃるかもしれませんね。「ゴーヤ」の特徴は独特の苦味。栄養価の面では他の野菜に比べて「ビタミンC」を多く含んでいることとが特徴です。
「ゴーヤ」を含む夏野菜に含まれる「ビタミンC」の量を比較してみました。
エネルギー | たんぱく質 | カリウム | 葉酸 | ビタミンC | |
ゴーヤ | 17kcal | 1.0g | 260mg | 72μg | 76mg |
なす | 22kcal | 1.1g | 220mg | 32μg | 4mg |
きゅうり | 17kcal | 1.0g | 200mg | 25μg | 14mg |
ズッキーニ | 17kcal | 1.3g | 320mg | 36μg | 20mg |
ピーマン | 17kcal | 0.9g | 190mg | 26μg | 76mg |
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年
いかがでしょうか?夏野菜の中で「ゴーヤ」は比較的「ビタミンC」を多く含む野菜であると言えるでしょう。「ビタミンC」は「なす」に含まれている「アントシアニン」同様、抗酸化作用があるのが特徴です。
「ゴーヤ」の栄養でもう一つ特徴的なのは苦味成分である「ククルビタシン」です。「ククルビタシン」はウリ科の植物に特有の配糖体の一種で、きゅうりやメロン、スイカなどのヘタに近い部分に含まれています。特にゴーヤは多量に含まれているため、特有の苦味を呈します。この苦味成分である「ククルビタシン」は水溶性です。ゴーヤ特有の苦味が苦手な方は軽く塩もみしてから調理するとゴーヤの苦味が少なくなります。さっと熱湯で茹でると更に苦味は少なくなりますが、「ビタミンC」などの熱に弱い栄養素が壊れてしまうためあまりオススメはできません。「苦味」も美味しさの一種ですので、ぜひ旬の味を楽しんでください。
簡単!作りおきレシピ〜なすとゴーヤのピリ辛肉そぼろ〜
今回は「なす」と「ゴーヤ」をたっぷり使ったボリューム満点の一皿をご紹介したいと思います。暑い夏で食欲がなくなってきたはいつもの味付けに「辛味」を加えることでご飯が進む味付けになります。
材料
材料 | 量 | 切り方 |
なす | 1本 | ヘタを取り、縦1/2にカットし半月にスライスする |
ゴーヤ | 1/2本 | 縦1/2に切りワタをくり抜き薄くスライスする |
鶏ひき肉 | 300g | |
おろししょうが | 少々 | |
おろしにんにく | 少々 | |
A:しょうゆ | 大さじ2〜3 | |
A:みそ | 大さじ1 | |
A:豆板醤 | 小さじ1 | |
A:酒 | 大さじ1 | |
ごま油 | 大さじ1 | |
白ごま | お好みで |
「しょうゆ」の量は小鉢として食べる時は「大さじ2」、丼の具などご飯や麺にトッピングして食べる時は「大さじ3」がおすすめです!
作り方
1、カットしたなすとゴーヤを塩もみ(分量外)し、余計な水分をしぼる |
2、フライパンにごま油を入れ中火にかけ、しょうがとにんにくを香りが出るまで炒める |
3、2に鶏ひき肉を入れほぐしながら全体を炒める |
4、鶏肉の色が変わったら1のなすとゴーヤを入れ全体をよく炒める |
5、Aの調味料を入れ全体をよく混ぜ、中火で加熱し水分が少なくなったら出来上がり |
6、皿に盛りお好みで糸唐辛子をトッピングして出来上がり |
「なすとゴーヤのピリ辛肉そぼろ」の栄養価(100gあたり)
カロリー | 131kcal |
たんぱく質 | 9.9g |
脂質 | 8.1g |
炭水化物 | 3.1g |
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年
まとめて作りおきしておきご飯の上にのせ温泉卵をトッピングしたら「たんぱく質」もしっかり摂取出来る一皿になるのでおすすめです。フライパン一つで簡単に出来る一品ですので、ぜひ試してみてくださいね!
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/