たんぱく質の過剰摂取は危険?

食事と栄養

こんにちは!管理栄養士の高安です。みなさんは1日にどの程度たんぱく質を摂取していますか?食事だけでなく、プロテインなども活用して日ごろから意識的にたんぱく質摂取を心がけている方も多いのではないでしょうか。たんぱく質が重要な栄養素だからといってむやみに摂取してはいませんか?いま一度、たんぱく質とは何なのか、たんぱく質の1日の摂取目安量と過剰摂取した時のリスクについてお話ししたいと思います。

たんぱく質とは?たんぱく質の栄養

たんぱく質は複数のアミノ酸が鎖状につながったもので、炭水化物・脂質とともに三大栄養素といわれてます。私たちのカラダの約60%が水分で出来ていて、その次に大きな割合を占めるのがたんぱく質にです。たんぱく質は筋肉や臓器、毛髪などカラダの構成成分の材料や消化吸収に欠かせない酵素やホルモンの材料にもなる、とても大切な栄養素です。

たんぱく質が不足すると、筋肉量の減少、髪の毛や肌のトラブル、集中力の低下など様々なカラダの不調の原因になります。高齢者の筋肉低下による寝たきりもたんぱく質の摂取不足が一因とも言われています。そして、最近では若い女性の「やせ」も問題に。極端なカロリー制限をおこなうと、たんぱく質だけでなく、含むカラダ作りに必要な栄養素が全体的に不足し、筋肉量も減少してしまいます。体重は軽いのに体脂肪が多い隠れ肥満…なんて事にもなりかねません。日々の食事でカロリーを意識するだけでなく、たんぱく質の摂取量にも注目し、バランスのよい食事を心がけることが大切です。

1日に必要な「たんぱく質」はどのくらい?

1日に必要な「たんぱく質」摂取量は「体重1kgあたりに1.2-1.7gをかけた量」で計算することができます。詳しくはこちらの記事でご紹介していますのでご確認ください。

体重80kgの男性の場合、80kg×1.2g〜1.7g=96g〜136gの「たんぱく質」を摂取する必要があります。特に運動をしていない場合は、体重当たり1.2g換算で96g。トレーニングをしてカラダ作りをしている場合は、体重あたり1.7g換算で136gが1日に必要なたんぱく質の量と考えるとよいでしょう。体重あたり1.7gを超えて摂取すると肝臓や腎臓などの消化器系の臓器に負担がかかる可能性があるので、注意が必要です。

たんぱくの過剰摂取がもたらす影響は?

たんぱく質の過剰摂取がもたらす影響は以下の通りです。

体重増加のリスクがある

たんぱく質も必要以上に摂取すると摂取カロリーオーバーとなり、体重増加の要因になります。たんぱく質を多く含む食品やプロテインを摂取するだけで筋肉がつくと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは大きな間違いです。たんぱく質は体内での再利用も盛んな栄養素ですので、必要以上に摂取する必要はありません。いま一度、ご自身に必要なたんぱく質量と1日の食事から摂取しているたんぱく質量を見比べて、1日のたんぱく質摂取量を決定するようにしましょう。

肝臓や腎臓に負担がかかる

たんぱく質はアミノ酸に分解されて吸収され、エネルギー源、筋肉や臓器・ホルモンの材料などに利用されていますが、過剰に摂取したたんぱく質はアミノ酸に分解されたのち、アンモニアとなり肝臓で無毒化され、腎臓から尿として排泄されます。尿を摂取するたんぱく質の量が多ければ多いほど、肝臓や腎臓での処理が必要となるため、結果的に肝機能や腎機能が低下してしまうことがあります。どちらの臓器も機能が低下していても自覚症状を感じにくいため、健康診断で指摘されるまで気が付かないこともあります。1日に体重あたり2g以上のたんぱく質を摂取しているかたは注意が必要です。

尿路結石の要因になる

動物性たんぱく質を大量に摂取すると、尿中の尿酸が多くなることによって、尿路結石ができやすいとされています。結石ができ、途中で詰まってしまうとわき腹や下腹部の激しい痛みや血尿などの症状が出てしまいます。

まとめ

たんぱく質はからだを作るうえで欠かせない栄養素ですが、過剰に摂取してしまうと肥満、肝臓や腎臓の疲労、尿路結石など様々な弊害が出てしまう可能性があります。たんぱく質は必要以上に摂取してもあまり効果はありません。1日に必要なたんぱく質量と現在摂取しているたんぱく質量を確認し、過剰摂取にならないように注意しましょう!

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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ https://ncsracine.com/