こんにちは!管理栄養士の高安です。今年は記録的な暖冬の様ですね。年末に福島県にスノーボードをしに行ってきましたが全く雪がなく、残念なことにスノーボードの予定が観光メインの旅になってしまいました。
さて、今回は「ジュニアアスリートに必要な栄養」についてお話ししたいと思います。成長期と重なるジュニアアスリートはからだの成長に必要なエネルギーと運動で消費したエネルギーの両方を補給する必要があるということは以前お話しさせて頂きました。(詳しくはこちらhttps://limitest.jp/meal/junior-period-nutrition-management/ )
みなさんはもうおわかりかと思いますが、単純に「摂取エネルギー」だけを意識すれば良いという訳ではありません。しっかりと成長期にからだを大きくするためには、「摂取エネルギー」だけでなく、食事のバランスや一緒に摂取する「ビタミン」、「ミネラル」も意識する必要があります。
「成長期」に必要な栄養とは?
みなさんは「成長」という言葉を聞いてどんなイメージを持ちますか?「背が伸びる」、「からだが大きくなる」、「体重が増える」このあたりのキーワードを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。「身長」と「体重」をもとに「成長の度合い」が確認できる「成長曲線」というグラフがありますので、お子さんの「成長の度合い」をチェックしてみるのもよいでしょう。
引用:厚生労働省HP
成長期に重要な栄養素は以下の3つ。キーワードは「筋肉」、「骨」、「貧血予防」です。
1、からだを大きくする栄養素「たんぱく質」
一言で「体重を増やす」と言っても「脂肪」で増やすのと「筋肉」で増やすのでは全く異なりますよね。単純に「摂取エネルギー」だけを意識するのではなく「摂取エネルギー」に対する「たんぱく質」、「脂質」、「炭水化物」の摂取割合も重要です。「三大栄養素」の中でも「筋肉」と密接な関係にあるのは「たんぱく質」です。普段の食事でも「摂取エネルギー」に対する「たんぱく質」摂取量も意識するようにしてください。
ジュニアアスリートに必要な「たんぱく質」量は以下の通りです。
男性 | 女性 | |||
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必要エネルギー量 | たんぱく質摂取目標量 | 必要エネルギー量 | たんぱく質摂取目標量 | |
8~9歳 | 2,100kcal | 68.3〜105g | 1,900kcal | 61.8〜95g |
10~11歳 | 2,500kcal | 81.3〜125g | 2,350kcal | 76.4〜117.5g |
12~14歳 | 2,900kcal | 94.3〜145g | 2,700kcal | 87.8〜135g |
15~17歳 | 3,150kcal | 102.4〜157.5g | 2,550kcal | 83.9〜127.5g |
18~29歳 | 3,050kcal | 99.1〜152.5g | 2.200kcal | 71.5〜110g |
「ビタミンB6」を多く含む食品は以下の通りです。
エネルギー | たんぱく質 | ビタミンB6 | |
みなみまぐろ | 95kcal | 21.6g | 1.08mg |
かつお・秋獲 | 165kcal | 25g | 0.76mg |
鶏ささみ | 114kcal | 24.6g | 0.66mg |
牛レバー | 132kcal | 19.6g | 0.89mg |
にんにく | 136kcal | 6.4g | 1.53mg |
バナナ・生 | 86kcal | 1.1g | 0.38mg |
ピスタチオ | 615kcal | 17.4g | 1.22mg |
参考)日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2018年
2、骨を強くする栄養素「カルシウム」と「ビタミンD」
成長期に一気に身長が伸びることがありますよね。急激な身長の伸びにも対応できる様に日頃から骨を丈夫にすることが重要です。「骨を強くする」栄養素として「カルシウム」は有名です。実は「骨」と密接な関係のある栄養素は「カルシウム」だけではないのです。「カルシウム」の吸収を促進する「ビタミンD」も「骨を強くする」ために重要な栄養素です。「カルシウム」や「ビタミンD」の摂取とあわせて適度な負荷も「骨を強くする」ためには重要です。しっかりと「カルシウム」と「ビタミンD」を摂取し、適度な運動をすることで「丈夫な骨」を作っていきましょう。
3、貧血予防のための栄養素「鉄」と「ビタミンC」
激しいスポーツをするアスリートに多い症状のひとつに「貧血」があります。一般的に「貧血」とは血液中の酸素が不足している状態をいいます。「アスリート」で起こりやすい「貧血」は一般的な血液中の酸素が不足することによっておこる「貧血」とは少し異なります。「スポーツ貧血」と呼ばれ、激しい運動によって「赤血球」が壊れることが原因で起こります。「貧血」状態になるとだるさが抜けなかったり、まぶたの裏が白っぽくなったり、爪の中央が凹んでそり返ってしまう「スプーンネイル」の症状が出てきます。疲れやすかったり急にパフォーマンスが落ちたりした時には「スポーツ貧血」を疑ってみてもよいかもしれません。
「貧血」を予防するためには食事から「鉄分」をしっかりと摂取することが重要です。「鉄」には動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」があり「ヘム鉄」の方が「非ヘム鉄」に比べて吸収力が高いと言われています。「鉄」は「ビタミンC」と一緒に摂取すると吸収率が高くなると言われていますので食べ合わせも意識してみると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「ジュニアアスリート」にとって重要な栄養素をご紹介させて頂きました。バランスの良い食事を心がけると同時にしっかりと「休養」をとることも大切です。あまり練習で根詰めすぎず、休む時にはしっかりと休んで強いからだを作っていくようにしてくださいね。
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管理栄養士/フードアドバイザー 高安 ちえ http://chietakayasu-dietitian.strikingly.com/